これは現実なんだ。それは分かっている。だけど、あまりに非日常的な光景が、津波に覆い尽くされた町や空港が、火災で燃え上がる石油コンビナートが、機能マヒでメルトダウンの危機を孕んだ原発が、交通マヒで帰宅難民と化した数万数十万の大衆が、揺れで崩壊した室内が、今日の事態で失った様々な貴重な物が、今も続く余震にびくつく自分の心が、その現実を脳内に染み渡らせない。
今は耐えよう。明日からは救出と復興に注力だ。それは分かっている。だけど、あまりに容赦の無い現実が、失った人命とインフラの甚大さが、これから失う機会と資金の膨大さが、今のうちからその気力を萎えさせる。
日本は立ち直れる。自分も立ち直れる。そんな自信が欲しい。そんな自信や気合は自分の中から振り絞るものだ。それは分かっている。だけど私には無理だ。今の私には無理だ。誰でもいい。誰でもいいから、そんな光を示してくれ。辛い。心が折れそうで堪らない。
東北、関東で巨大地震=M8.8、仙台沿岸に遺体200~300人―大津波10m
11日午後2時46分、三陸沖を震源とする地震が起き、宮城県北部で震度7を観測した。気象庁によると、マグニチュード(M)は観測史上最大の8.8(暫定値)を記録。同3時15分にもM7.3の余震があり、茨城県南部などで震度6弱を観測した。仙台新港に高さ10メートルの津波が到来したほか、同50分に福島県相馬市で同7.3メートル、同4時52分には茨城県大洗町で同4.2メートルの津波を確認するなど、北海道から沖縄県まで広い範囲に津波が押し寄せ、宮城県警によると、仙台市若林区荒浜の沿岸地区で200~300人の遺体を発見した。午後10時半現在、この他に確認された死者は68人、不明者も多数いるとみられる。
同庁は岩手県から茨城県に至る南北400キロ、東西200キロの断層帯が破壊された可能性が高いことを明らかにした。
福島県によると、自動停止した福島第1原発2号機の原子炉内の水位が低下。このまま低下し続けると、燃料棒が露出して放射能が漏れる可能性があるとして、国は原子力災害対策特措法に基づき、同原発半径3キロ以内の大熊町と双葉町の住民に避難指示を出した。
各県や県警によると、岩手県や宮城県などの沿岸部を津波が襲い、多数の漁船や家屋が押し流された。岩手県山田町で死者が多数出ているほか、同県大船渡市で建物300棟以上が崩壊・流失し48人が行方不明。同県では久慈市の漁港などで計34人、宮城県でも石巻市などで8人の死亡が確認された。
(3月11日 時事通信)
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