仏下院選はマクロン大統領の新党「共和国前進」が勝利な件について

 1月前の大統領選の時は、「議会にロクな身内無し、世論に有力な後押し無し、有権者にガチな支持層無し。無い無い尽くしの中、混乱の続くフランスのトップに祭り上げられたマクロン」「社会党(PS)共和党と(LR)にいい顔しないと身動き一つできないマクロン」と揶揄したけど、すんません。読み違えました。マクロンがその悪材料の悉くを逆手に取って、「マクロン・チルドレン」たる「共和国前進(LREM)」を下院第一党にすることは、ほぼ決定事項。

 先月、何を読み間違えたかと言えば、マクロンの「議会の身内づくり」戦略のエグさだな。大統領選の決選投票で、自分を支持した共和党・社会党勢力の地盤に、遠慮なく「共和国前進」候補という肩書だけの素人候補を大量に落下傘させるとはね。更に、旧二大政党のバック連中、特に社会上流階級や産業界の偉いさんを共和党支持から寝返らせる一方、世論対策はパリ協定を抜けたトランプ批判以外、安全運転に努め、とにかく第一回投票で「得票率1位」となることを目指すとは、やっぱ、本質的に「勝ち方にこだわらず、成果を上げれば正義」金融屋なんだね。彼ってば。

 サルコジ・オランド両大統領が脆い支持基盤の上でダッチロールする姿に辟易していたフランス国民や産業界が、自分たちの支持をそのまま「PS出身の支配階級者」マカロンとLREMに移したわけじゃない。今回の下院選第一回投票率48.7%が、前回の57.2%を8.5%下回る過去最低水準だったこと、今回の第一回投票で「投票率1位」となったLREMが獲得を確定した議席は、577議席中3議席でしかないことからも、それは明らかだ。

 しかし、それでも「第1位」は強い。よほどのことが無い限り、18日の決選投票でLREMが下院第一党となる「結果」は覆らないだろう。

 故にそれから先が恐ろしい。一部エリートに率いられた素人勢力が熱狂のママに政治を弄ると何が起きるかってことを、18世紀末から19世紀頭までの歴史的教訓からフランス国民は熟知しているはずなんだがな。

ドナルド・トランプの「逆」を行って自滅したテリーザ・ メイ ~ 英総選挙で保守党過半数割れ(2017/6/9)

 12日に下院選を控えるマクロン仏大統領は、今回のメイ英国首相の自滅を、どこまで自身への追い風とすることができるかな。

 個人的には、「予想以上に市場原理の申し子な肉食獣」だったマクロンが、共和・社会の旧二大政党支持層を踏み台にし、英国からの追い風で大勝し、然る後に「21世紀の皇帝ナポレオン」として顕現する事態が起こりそうで、少々怖いんだが。

 なんだか嫌な予感。そして、

f:id:kagura-may:20170226122135j:image

「こういう事態になれば、フランス相手の交渉も戦争もやりやすくなると一番喜ぶのは、どの国の独裁者様かしらね」

f:id:kagura-may:20140227183815j:image:w300

仏下院選第1回投票、「マクロン党」が圧勝 最終結果判明

 【6月12日 AFP】(更新、写真追加)フランスで11日、下院選の第1回投票が行われ、最終結果によると、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の中道新党「共和国前進(REM)」と、同じく中道政党で同盟関係にある「民主運動(MoDem)」の得票率が合わせて32.32%を獲得し、圧倒的多数を占める見通しとなった。

【6月12日 AFP】(更新、写真追加)フランスで11日、下院選の第1回投票が行われ、最終結果によると、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の中道新党「共和国前進(REM)」と、同じく中道政党で同盟関係にある「民主運動(MoDem)」の得票率が合わせて32.32%を獲得し、圧倒的多数を占める見通しとなった。

 仏内務省が12日午前1時30分(日本時間同8時30分)に発表した最終結果によると、共和国前進と民主運動は定数577のうち400~445議席を占める見通し。

 これに続くのが、大統領選で振るわず復活を期して臨んだ右派・共和党で、最終的な得票率は21.56%。議席獲得数は70~130議席になると予想されている。

 一方マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏率いる極右政党「国民戦線(FN)」は得票率が13.20%で、1~10議席にとどまるとみられている。大統領選でルペン党首がマクロン氏に手痛い敗北を喫し、同党がそこからの立ち直りに苦戦している様子がうかがえる。

 最大の打撃を受けたのはフランソワ・オランド(Francois Hollande)前大統領の社会党(PS)で、200もの議席を失う見通しである上、同党の候補として大統領選に臨んだブノワ・アモン(Benoit Hamon)氏までもが、18日に行われる決選投票に残ることができなかった。

 投票率は過去最低の49%に落ち込んだ。これについて識者らは、マクロン氏の快進撃を目の当たりにした反マクロン派の間に、諦念が広がっていることの表れとみている。(c)AFP

(6月12日 AFP-BB)

 ここで「【MAD】346Yeah!」を紹介。


D

ああ~、こころがぴょんぴょん癒されるんじゃあ~

一押しして頂けると励みになります<(_ _)>

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です