プーチン氏は「(米欧が)終わりのない交渉に我々を引き込もうとしているだけではないか」と質問。ラブロフ氏は「議論を際限なく続けるべきではないが、現時点では交渉を続け、発展させることを提案する」と述べ、プーチン氏の了解を得た
逆に言えば、この了承シーンを世界に流した時点で、ボールは欧米にあるとロシアは主張するだろう。それはすなわち、本件における「最後通牒」である。
【ラブロフ露外相がトラス英外相に塩対応して虐めているうちは】ウクライナに邦人退避勧告 ~ 日本外務省、危険情報最高度に【まだ大丈夫】(2022/2/11)
ラブロフが何も言わなくなったり、逆に猫なで声を出し始めたら要注意。ロシアはそういう国だ。
今回、プーチンとの会話で「猫なで声」を発したラブロフ。世界はプーチンの「了承」に安心する勿れ。むしろ、彼による「最終決断」の時期が近付いていると、ラブロフの「声色」から察するべきだ。
プーチン氏、米欧との交渉継続を了承 ウクライナ情勢(2022/2/15 毎日新聞)
ロシアのプーチン大統領は14日、米欧諸国に求める北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大などの問題についてラブロフ外相と協議し、米欧との交渉を今後も続ける方針を了承した。しかし、プーチン氏は「西側諸国と合意のチャンスはあるのか」といら立ちもあらわにしており、ウクライナ周辺の軍事的緊張を背景に米欧にさらなる譲歩を迫る方針とみられる。
プーチン氏とラブロフ氏の協議の様子は国営ニュース放送で一部が放送された。両氏の協議内容が公表されるのは異例。ラブロフ氏は、NATOの東方拡大前の1997年時点まで軍備配置を戻すことやロシア国境周辺に攻撃的兵器を配備しないことなどを求めたロシアの要求への米欧の回答内容を改めて説明した。その上でロシアの主要要求への回答が「否定的だった」と改めて説明した。
これに対し、プーチン氏は「(米欧が)終わりのない交渉に我々を引き込もうとしているだけではないか」と質問。ラブロフ氏は「議論を際限なく続けるべきではないが、現時点では交渉を続け、発展させることを提案する」と述べ、プーチン氏の了解を得た。
ロシア軍はウクライナ国境付近に集結するほか、隣国ベラルーシでは20日まで、黒海でも19日まで大規模な演習を続ける予定で、ウクライナへの圧力を強めている。タス通信によると、プーチン氏は週末までにベラルーシのルカシェンコ大統領と会談し、共同声明を出す予定。演習後のロシア軍の撤収時期が議題となるとみられるが、米軍の東欧への増派などを口実に部隊を残す可能性もあり、その場合は緊張状態がさらに続く可能性がある。【モスクワ前谷宏】
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