アビー氏は昨年11月、政府と対立するティグレ(Tigray)州政府を率いる「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」を制圧するため、北部ティグレ州に派兵。同国北部では以後、武力衝突が続いている。
サラッと書いているけど、この内戦の内情は次の通り。
【ノーベル平和賞受賞者が】アビー・アハメド首相率いるエチオピア政府軍、ティグレ州都メケレからティグレ人民解放戦線(TPLF)を駆逐【その翌年に内戦を力押しで制圧ねえ】(2020/11/29)
今回のエチオピア内戦だが、その根っこは、エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF、現・繁栄党)の慢性的内ゲバ。これが、去年の繁栄党結党をきっかけに、「それまでEPRDFの主役だった」ティグレ人民解放戦線(TPLF)のブチギレ&連立政権離脱で決定的に拗れたのが原因。アビー政権主流派vs非主流派&TPLFという決定的な対立構造になってしまったのが理由なわけで、TPLFの根城・ティグレ州のドンパチそのものはいわばおまけ。
ちな、山の多いティグレ州は、山岳ゲリラ戦上手のTPLFにとって庭そのもの。州都を失っても、そう簡単に政府軍には降伏せんよ。ゲリラ戦の先輩・中国がバックにいるとあっては尚のこと。
というわけで案の定、TPLFは降伏せず、むしろ泥沼化した本件。しかしなんだね。仮にもノーベル平和賞を貰った人間が、内ゲバの敵対勢力を潰すために、「愛国心」を持ち出して「国家総動員」を発令とはね。それも国民に相互監視や密告を推奨しながらとは、いやはや。
少なくとも「オッサンの御威光で次回最終回」ってことにはならんだろうな。むしろダラダラ度が増して収まるものも収まらなくなるに100カノッサ。
【8月11日 AFP】エチオピアの多数の地域で戦闘が激化する中、2019年にノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は10日、軍務適格者は全員軍に加わるよう呼び掛けた。
首相府は、「今こそ軍務に適したエチオピアの成人全員が国防軍、特殊部隊、民兵組織に加入し、愛国心を示す時だ」と述べた。
アビー氏は昨年11月、政府と対立するティグレ(Tigray)州政府を率いる「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」を制圧するため、北部ティグレ州に派兵。同国北部では以後、武力衝突が続いている。アビー氏は2か月前、8か月近く紛争状態だったティグレ州で、「一方的な停戦」を宣言したばかり。
派兵から9か月後、TPLFは隣接するアファール(Afar)州やアムハラ(Amhara)州に進攻。国連(UN)によると、ティグレ州では40万人が飢饉(ききん)のような状況に直面しているとされるが、支援は難航している。
今月10日、政府もしびれを切らしたとみられ、アビー氏は治安部隊に対し、「反逆的なテロ組織TPLFによる破壊活動と、外国勢力の陰謀を完全に阻止するよう」命じた。
首相府は、軍に加われない人は、「物資提供や精神的支援」など、他の方法で軍に貢献できると述べている。「テロ組織TPLFのスパイや工作員を突き止めるため、すべてのエチオピア人が国家の目となり耳となり、治安部隊と緊密に協力しなければならない」 (c)AFP/Robbie COREY-BOULET
(2021/8/11 AFP-BB)
ここで「ペイントで「スペースコブラ」OP【完全版】」を紹介。
平和と名作は一日にしてならず。
コメントを残す