【MAD】 -光と闇を抱えた少女- 【ダークドリーム&キュアビューティ】 ~ スマイルプリキュア!に足りなかったのは「これ」だ

ダークドリーム@劇場版Yes!プリキュア5とキュアビューティ@スマイルプリキュア!の中の人が、共に西村ちなみ女史であることから、「キュアビューティ=転生したダークドリーム」と言うコンセプトで作られた良MAD。

大好きな人も大切なものも、そして笑顔も知らずに生まれ、戦ってきたダークドリームが、キュアドリームとの戦いの中でその存在に目覚めながら散った後、「スマイルプリキュア!」の世界で、仲間との絆を何よりも大事にする青木れいか&キュアビューティ、笑顔を大切にするスマイルプリキュアの一員として転生したという流れは、両シリーズを観たものにとっては、結構心に来るものがあります。

もちろん、この設定はこちらのMADの作者氏の「二次創作」ですが、私は、この設定のようなカルマを背負ったプリキュアがいなかったことが、最終回感想で述べた点に加えて、「スマイルプリキュア!」のストーリー、特に後半部の展開を起伏に足りないものにした原因だと考えます。

直近3シリーズに限っても、「フレッシュプリキュア!」のせつな&キュアパッション、「ハートキャッチプリキュア!」のゆり姐さん&キュアムーンライト、「スイートプリキュア♪」のエレン&キュアビート。それぞれにカルマを背負いながらシリーズ初期のプリキュアメンバーと合流した時、新体制の敵に対するプリキュア陣営への新たな戦力の追加という、一時的/一面的な影響以上のものを、彼女たちは齎しました。

それは、既に確立されていた人間関係の再構築、異種の流れから合流してきた追加プリキュアを加えることによる、既存メンバーのプリキュアとしてのアイデンティティの再認識、そしてそれらを包括したストーリーの新展開etc。それが、シリーズ後半の盛り上がりの鍵でした。

しかし、「スマイルプリキュア!」にはそれが無かった。シリーズ後半でも、苦難のたびに初期メンバー5名の絆を確かめ合うことはありましたが、それは第1クールまでに、少なくとも第23話までに確立されたもののマイナーなバージョンアップに過ぎませんでした。そのため、戦闘シーンも含めて傑作と呼べるエピソードは多かった一方、ストーリー自体の起伏は、第23話を境に驚くほど小さくなっていきました。個人的には、そのことが実に残念であり、本日、こちらのMADに触れて、その認識を更に確たるものにしました。

メンバー間の絆描写が重要なプリキュアなればこそ、追加メンバーは必要なのだと。その追加メンバーは、既存メンバーにとって(最初は)異分子な存在であるべきであり、既存メンバーが体験したことの無いカルマを背負って合流し、既存メンバーの初期ルーティンから外れた覚醒のきっかけになるべきなのだと。それでこそ、4クールの長丁場を使い切る意味があるのだと。

その意味で、今冬クールの新番組で注目しているのが、「ビビッドレッド・オペレーション」。「ストパンとプリキュアとまどマギとISを足して割った」ような本作ですが、OPを観ると、初期メンバー4名+一匹狼の偽ほむほむ1名という構成で話が進みそうです。初期メンバーの人間関係やそれを軸にしたストーリー展開が確立した後、偽ほむほむが合流したら、どのような化学変化が作品に齎されるのか。正直、作品としての深みにはあまり期待してないのですが、この化学変化の可能性と、高村和宏監督お得意の「股」描写には、注目して視聴を継続したいと思います。

 

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