座長案「国・郷土を愛する」を明記…教育基本法改正

 自民、公明両党でつくる「教育基本法改正に関する検討会」座長の大島理森・元文相が、12日午後の会合で提示する座長案の概要が明らかになった。

焦点となっている「愛国心」の表記については、「伝統と文化を尊重し、それらを育(はぐく)んできた国及び郷土を愛する」とする。さらに、「他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する心」と盛り込み、国際社会に貢献する姿勢も明確にする。

与党はこうした座長案を軸に調整を進め、13日に与党の幹事長らでつくる「教育基本法改正に関する協議会」を開いて、改正案を確定させたい考えだ。

愛国心の表記を巡っては、公明党が「『愛国心』は、戦前の国家主義を連想させ、統治機構を愛すると解釈する余地がある」などとして、難色を示してきた。大島氏の座長案は、「伝統と文化を育んできた国」と位置づけることで、公明党の理解を求めるものだ。

検討会はすでに、教育基本法改正案をめぐり、「宗教教育」の表記は、「宗教に関する寛容の態度」などを尊重するとした現行規定を踏襲することを確認している。自民党が主張していた「宗教的情操のかん養」の明記は見送る。

義務教育のあり方は、義務教育年限の延長を視野に現行の小、中学校合わせて「9年」としている年限を削除する。「教育行政」で、自民党が削除を求めていた現行の「教育は、不当な支配に服することなく」との文言は、そのまま残す方向だ。

このほか、現行法にはない、「生涯学習」「大学教育」「私立学校」「幼児教育」「家庭教育」などの項目を新たに盛り込むことにしている。

公明党は12日午前、拡大文部科学部会を開き、検討会メンバーの太田昭宏幹事長代行が教育基本法改正案の検討状況を説明した。部会は今後の対応を、太田氏らに一任することを決めた。

(読売新聞) – 4月12日

「土は国なり、国は人なり、そして思想は国家なり」とは某傭兵部隊の司令官殿のお言葉ですが、では今回、(公明党・創価学会への配慮による「言葉遊び」でぼやかしていますが)国家によって規定された「愛国心」とはそのいずれにあたるのかと言えば、これは国家の「思想」ですな。国民の意思とは別途に成立した「国策」と言っていいでしょう。

神楽は、労働政策の一環としての公教育の階層化政策には賛成してますが、今回の「教育における思想面の国家権力の介入を容易くさせる」基本法改正には反対です。そもそも現行教育基準法は、「憲法の精神に則り」存在している準憲法とも言える存在です。憲法とはすなわち国家の行動規範、すなわち行動を制限するガイドラインであって、本来国家が「上位者である」国民不在の中で一方的に改正できるものではないはずです。にもかかわらず、国家が国家にとって望ましい国民育成を目指し、ある特定の思想を強制するがごときな今回の改正案は、本質論的にも手続き論的にも本末転倒ではないでしょうか?

まあ、こないだの人権擁護法案じゃないですが、突っ込みどころ満載の本改正案がすんなり通るとは思いませんけどね。その位の良心や良識の存在は信じたいです。

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