花岡信昭:これでいいのか、ブログ世界の理不尽な未成熟さ

■ブログ社会の熱気を身をもって体験した筆者

民主党はやはり前原執行部総退陣、永田寿康氏の議員辞職という事態に追い込まれた。当たり前である。対応が1カ月遅れたために、この党は再生不能と思われるほどに凋落してしまった。7日に新代表が選出されるから、次号で改めて、民主党の現状と将来を考えてみたい。

そこで、やや目先を変えて、この1カ月ほど、ブログの世界で大騒ぎになった問題を紹介したい。おそらく、ブログを日常的にのぞく習慣のない人は知らないのではないか。一般のメディアでもまったく報じられなかったからだ。

総務省の予測によると、2007年3月末で、ブログの利用者は782万人、閲覧者は3455万人に達する見込みという。ネット社会の中軸たるべき存在となっているのだが、その実態たるや、きわめて陰湿、低次元でお粗末きわまりない。匿名で罵詈雑言、誹謗中傷を浴びせあう世界となっているのである。

筆者はそれを身を持って体験した。いまだにブログの世界の一部では、相当に理不尽な人間として扱われているようだ。「ものかき」を中心とした仕事をしているから、よくも悪くも話題になるのは結構なのだが、それにしてもブログの世界の水準はひどすぎる。アメリカのようにブログがジャーナリズムの一角を占める時代は、日本には来ないのではないかとすら感じている。

(4月4日 日経BP SAFETY JAPAN)

(以下)詳細URL http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/y/02/

今回の花岡氏の主張ですが、TOBOの放送スケジュール確認などファクトの部分以外、特に結論部分において周囲のシンパシィは得られないだろうと神楽は思います。

まず、「今回の事例レベルで、自分はブログ世界の全体潮流を論じられる」といわんばかりの彼の主張に違和感を禁じえません。今回の騒動は、発端となったNHKのトリノ五輪放送スケジュール問題について、五輪放送の中継システムに関する基本情報の十分な共有が筆者・読者間でなされなかったのがそもそもの原因です。結論から言えば、今回の騒動において、花岡氏は(一応)被害者であります。が、同時に、この程度の(相互)理解の欠如による衝突なり論争はブログだけに見られるものではなく、一般の市井コミュニケからグローバルなメディア全般まで、古今東西を問わず散見される珍しくもない出来事です。そして、その発生背景から鑑みても、当事者に一方的な被告・原告の立場の人間はいないはずです。

にもかかわらず、ことさらに今回の騒動は日本のブロガーの未熟ゆえに発生したと断ずるのは、自身が被害者となったが故の意趣返し、恣意的な判断と見られても仕方が無いのでは?。まして花岡氏は、以前記者クラブ擁護論をぶった際に、まず既存メディア擁護ありきのかなり偏向したスタンスを採りました。仮にではありますが、今回花岡氏を攻撃したブロガーの念頭にそれがあったのだとすれば、(そもそもの問題は該当ブロガーの短絡さにありますが)日ごろの花岡氏のスタンスにも、事態混乱の責任の一端はあるのではないでしょうか。

ついでにもう少し述べさせて頂きますと、「ネット右翼」「ネット弁慶」なる存在も含めて、ネットでの匿名発言の凶暴性や暴走はかねてより非難の対象となっております。それは事実です。では、その潮流を生み出したものあるいは彼らを煽動しているものは、当事者の単なる無知と人格的欠損ばかりなのかと言えば、必ずしもそうではないでしょう。

特段、陰謀史観的な見方をせずとも、ある一つの方向性を持った主義主張の潮流が勢いを増す時、そこには単なる暴走とは違う特定の力が働くことがあります。今回の騒動の場合、それがNHKという「水へ落ちた犬」への集団心理的な投石レベルの話か、NHK周辺の某利害関係への意思表示の一環レベルの話かは分かりません。しかし、それら外部要因の可能性を抜きにして、自己が把握している当事者レベルの事実のみで「今回のブロガー(ネット住民)の暴乱は正確な情報の欠如と彼らの未熟さ故」とつきはなして断じるその姿勢は、既存メディアの利害関係者としてならばともかく(それはそれで問題なのですが)、一個のジャーナリストとして妥当と言えるでしょうか。

今回の署名記事には、花岡氏が「該当する事実認識において僕は間違ってなかったもん」と世間にアピールし、溜飲を下げるためだけ以上の価値はありません。加えて、ロジックの違いこそあれ、自己に都合のいい恣意的な主張に拘泥している「オタク」なのは、花岡氏に突撃したブロガーだけでなく花岡氏自身も同じではないか。神楽はそう感じざるを得ません。

…と、ここまで書いておいて、改めて記事をよく読むと、突撃してるのってブロガーないしブログ世界の住人とは限らないんじゃ? どこから来たのか定かじゃない人間の行動とっ捕まえて「ブログ世界は大変だ」って、そりゃロジックが飛躍しすぎてませんか…って、しまった!もしかして花岡氏に釣られたのか(ニガワラ。

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