基板の銅や金とかと違って、合金ベースで使われているレアメタル。で、今の段階では、その合金から上手くレアメタルを分離する仕組みはほとんど確立されていない。技術かコストかのどちらかがボトルネックになっている。
回収だけ強化しても意味ないっつーか、回収してもビジネスとして割に合わないから、事業会社も回収には本腰入れようとしなかった。それがビジネスとして成立している鉄屑や鉛バッテリーリサイクルと、家電回収&レアメタル・リサイクルの違いだよね。偉い人が「集めろ!集めろ!」と威勢良く吠えても、ぶっちゃけほとんど意味無いよ。
小型家電のリサイクル制度を検討=レアメタル回収へ関連法も―環境省
環境省は9日、携帯電話やゲーム機などの小型家電のリサイクル制度の検討を始めた。小型家電に含まれるレアメタル(希少金属)を効率的に回収するのが狙いで、中央環境審議会が同日、松本龍環境相の諮問を受け、検討のための小委員会を設置。小委の議論を踏まえ、来年の通常国会への関連法案提出を目指す。
携帯電話やゲーム機、デジタルカメラなどは多くのレアメタルが含まれ、それらの大量の廃棄物は「都市鉱山」とも呼ばれる。ただリサイクルのための法制度がなく、家庭からごみとして出された後は、ほとんどが埋め立て処分されている。
このため小委では、使用済みの小型家電の回収強化に向けた制度について検討。リサイクルする対象品目や、小型家電回収の際の自治体と事業者の役割分担などを議論する。
(2月9日 時事通信)
国が本当に都市鉱山を活用したいと考えているなら、家電回収に鞭を入れるよりも、レアメタルの分離・再生、そして再生された資源の市場価値向上の施策にこそ力を入れるべきだ。その施策によって「売れるもの」が「作れる」と分かれば、再生レアメタルのビジネス/市場は勝手に立ちあがるし、その前提条件として家電の回収も自然に進む。もしそれが困難というなら、今回の施策はいいとこ「採算性度外視の公共事業」であって、とても民間企業や業界を巻き込むに足るビジネスとは言えない。
まあ、国としては、再生フローが確立する前にレアメタルなどの資源が埋められちゃうのを避けたい一心なんだろうけど、売り先が決まらないまま在庫や半製品だけ抱え続ける恐ろしさを、偉い人は果たしてどれだけ理解しているかな?。ため込んでりゃイイってもんじゃない。コストと言うものが存在する世界では。そのコストを負担する企業や国民が存在する世界では。
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