笹子トンネル下り線で不具合670件発見 ~ 重要なのは、笹子で670件・同構造トンネル合計で800件という現状ではなく、今後どれだけの数のトンネルがどれだけの期間で不具合を発生するかの予測だ

 その予測ができなければ、対処もできない。20年後の「2030年問題=インフラクライシス」の顕在化を、20年前から半減している日本の建設業界のキャパシティで事前に回避することは、可能なのか?。少なくとも、その可能性を高めるために、全国的なインフラのメンテナンス計画を国家プロジェクトとして検討する時期に来ていると、国民全体が自覚すべきだ。

笹子下り線、不具合670件…ボルト脱落・緩み

 国土交通省は13日、山梨県の中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故を機に行った全国の同構造のトンネル計46か所58本の緊急点検結果を公表した。

 笹子トンネル下り線を含む12か所15本で、天井板を固定する部品脱落など計約800件の不具合が発見され、このうち670件が同トンネル下り線に集中していた。同省は道路管理者の各高速道路会社や自治体に迅速な補修を求めている。

 天井板の撤去作業が進む、笹子・下り線では、つり下げ金具を固定するアンカーボルト計1万2002個のうち、2個は引っ張ると抜ける「脱落」状態。緩みは608個、腐食によるさびも22個で見つかった。

 天井板は複数のボルトでつり下げる構造。つり下げ金具に3・7倍の荷重まで耐える強度があるため、ボルトの一部が抜けても、すぐには落ちないというが、国交省は「危険な状態だったかは即断できないが、他と比べて不具合件数は多いと感じる」としている。

(12月13日 読売新聞)

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