今回の暴言を巡る一連の混乱で、参院選の民共合作は相当に弱体化した。望外の敵失というほどではないが、それなりにウェルカムな共産党の自爆劇に乾杯。
選挙戦序盤のこの大チョンボ。今週末の中間情勢分析が楽しみだ。
共産党の藤野保史(やすふみ)政策委員長(46)は28日、防衛予算について「人を殺すための予算」と発言した責任を取り、政策委員長を辞任した。藤野氏は記者会見で「党の方針と異なる誤った発言で、結果として自衛隊のみなさんを傷つけたことを深く反省し、国民のみなさんに心からおわび申し上げる」と述べた。同委員長は当面、小池晃書記局長が兼任する。
藤野氏は26日のNHKの討論番組で、防衛費が2016年度当初予算で5兆円を超えたことなどを指摘した際、「人を殺すための予算ではなく、人を支え、育てる予算を優先していく」と発言。同日夕には党広報部を通じて「不適切であり取り消す」との文書を出し、発言を撤回したが、自民、公明両党の批判の的となった。安倍晋三首相は26日、甲府市での演説で「自衛隊に対する最大の侮辱だ」と指摘した。公明の山口那津男代表は28日、新潟市の演説で「血も涙もない共産党に、人々の命や財産を任せるわけにはいかない」と指摘した。
藤野氏は衆院当選1回。今年4月、政策委員長に抜擢(ばってき)されたばかりだった。党関係者は「火が広がりすぎ、どうしようもなくなった」と話した。
(6月28日 朝日新聞)
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