悪手だな。理由は3つ。
第一に、これは後藤健二氏の命を危険に晒す行為だ。無邪気にこのプランに乗ろうとしている層は、西前が手本?にしたのであろう”Je suis charlie”へのテロリストの反応を思い出せ。あるいは、彼らが「私はシャルリー」を連想して、どういうリアクションをするか想像しろ。その上で、ISISとAQAPとの関係を考えれば、ISISがAQAP以上に人質へ柔和なスタンスを採れるはずが無いことに想いを致せ。
第二に、「私は健二」を今掲げる意味が不明。このプラカードを掲げた人間は、後藤健二氏の何と同一の存在になればいいの?。まさか、「我々は健二の…を継いで連帯しよう」じゃないよな。「意志や想いを継いで」じゃないよな。「シャルリー・エブド」事件ならともかく、後藤氏はまだ死んじゃいない。
下手にブームに便乗したファッション感覚を拗らせず、友人を助けたいだけなら、ストレートに「Save KENJI」でいいだろが。そして第三の理由。これが一番腹が立つ。
西前さんは知人などとともに、このページの中で、後藤さんとの連帯を示そうと「I AM KENJI」、「私は健二」と書かれた紙を掲げた写真を掲載し、後藤さんらが無事に解放されるよう呼びかけています。
「後藤さんら」が対象なら、何故「HARUNA」こと湯川遥菜氏は省くんだ?。その一事だけで世論が微妙に割れ、「後日の」連帯のスローガンとしても使えない代物だと何故考えない。
ちなみに、これまでISISから解放された人質はほぼ全員、各国の交渉担当者がポーカーフェイスを貫いて水面下のネゴを続けた結果、自由になっている。身代金の支払いも含めて。
テロ相手に限らず、交渉事ってのはそういうもんだろ。中田考&常岡浩介から西前拓に至るまで「表で」騒いでいる連中は、そういった自分たちの行為が、ISISクソコラグランプリで悪乗りしている連中のお祭りと同様、テロリストとの交渉時においてノイズでしかないと自覚するべきだ。個々人の本音や目的は別として。
イスラム過激派組織「イスラム国」に拘束されたとみられる後藤健二さんの友人がフェイスブック上に英語で「私は健二」と書かれた紙を掲げた写真を掲載する専用のページを作り、後藤さんらの解放を呼びかけています。
このページを作ったのは、ニューヨーク在住で、後藤健二さんとは10年以上、親交のある映像制作会社代表の西前拓さんです。
西前さんは知人などとともに、このページの中で、後藤さんとの連帯を示そうと「I AM KENJI」、「私は健二」と書かれた紙を掲げた写真を掲載し、後藤さんらが無事に解放されるよう呼びかけています。
西前さんは、この中で日本語と英語で「国籍、宗教、信条をこえ、人の心を持って、健二を殺さないで下さい」と呼びかけています。
このページには、これまでに西前さんの知人だけでなくインターネット上で取り組みを知った人たちなど合わせて十数人が写真を掲載していて、少しずつ動きが広がってきているということです。
西前さんは「中東などで虐げられた人たちを救う取材を続けてきた後藤さんは、多くの人たちから支持されている人だということを『イスラム国』に知ってほしい」と話していました。
(1月24日 NHK)
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