詳しくは、リンク先の当該エントリーを実際に見ていただいた方が正確。ともあれ、エントリーの端々に連ねられた
「夕方のニュースに合わせて」とか、前日に「明日の朝にご出演を!」などの要望は、他の方に当たって頂いた方が良いですね。
記者会見そのもので、今回のNature論文2本についての疑惑は何ら解消しませんでした。というか、この記者会見は研究者に対して行ったものではないので、まぁ、仕方ないのでしょう。
すでに種々指摘されていますが、我々のような科学者・研究者側の受け止め方は、「小保方さん、かわいそう。きっとSTAP細胞はあるんだよね。頑張って!」的な感想を持たれる方とは、世界をどのように理解するのかが違うのだと改めて認識しました。
という言葉からは、大隅女史のやり場のない疲労感と無力感が見て取れて、心底同情する。
特に無力感については、小保方女史が「科学者」としての説明責任を果たす前に、理研相手の裁判闘争を前提にした「被害者」としての不服申し立て会見を行ったことで、「本来ならSTAP細胞研究のデータの提出等で白黒がはっきりして終わりだった」事態が泥沼化したことに対する、科学者サイドのやるせなさも同時に感じられて、胸が痛い。
あの日を以って小保方女史は、大隅典子女史をはじめとする科学者サイドにとって「対岸の人物」となった。「自分たちと違うルールの世界の住人」となった。
小保方陣営が、4/9の「対理研の法廷闘争向け」会見で、情報の開示を制限し、科学者としての白黒を着けることなく、自派へ有利な状況を作ることに徹底したのは当然だろう。まさにそれが目的であり、大阪のホテルで行われた一連の茶番は、その目的を達成するための舞台演出に他ならないからだ。
一方で、「成功200回」だの「第三者によりSTAP細胞は再現中」だのと、科学者チックかつ中途半端な情報を小保方女史が垂れ流して、後日への禍根を残した点については、苦笑と、大隅女史に対するのとは異なる同情を禁じ得ない。次の火事場に、彼女は自らが先回りして油をまいた。脇、甘すぎだろ。
いずれにせよ、4/9の会見で、弁護士仕立ての局地戦勝利を世論の一部に得た小保方陣営であるが、それ以外の領域、特に「STAP細胞研究は信用に値するか否か」の科学的検証を欲する層に対しては、新たな不信感と爆弾をばら撒く結果になった。
局地的な戦術的勝利と大局的な戦略的敗勢。どちらが社会にとって、より重いか。元・身内にとって、より意味があるか。「対理研の裁判に勝てば成果になる」弁護士先生たちはともかく、賢明にして「研究者として今後も活動したいと言っていた」小保方女史には、分かり切っている答えだと思うが、如何?。
小保方女史は、あれで良かったのか?。本当に。
「芸能人」小保方晴子に科学者の姿はもう求めない件について(2014/4/12)
戦い方、間違ったな。リケジョさん。
反論でました。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140414/t10013720741000.html
通りすがり様
コメントありがとうございます。
小保方陣営からの発表のご紹介もありがとうございます。
私の感想ですが、一言で「壮絶に自爆したなあ」です。
まず、4/9に200回以上STAP細胞の作製に成功したというのが、多能性マーカーの陽性確認レベルの話だったこと。普通、これを以って、STAP細胞を作製したとは言いません。
二つ目、再現に成功した第三者というのも上記の確認レベルである可能性が高いこと。これは、理研の反論ベースですが。
弁護士先生も大変です。4/9は9割方自分たちの有利な土俵で勝負できたのですが、そこで小保方女史が漏らしたネタの尻拭いしようとしたら、かえって墓穴を掘ることになりました。弁護士先生は科学の専門家ではないので、今日の発表内容の穴が分からなかったでしょうね。
出先なので、簡単で申し訳ありませんが、ご確認下さい。
それでは失礼いたします。