【維新41共産10】「自公291立民96/465」2021衆院選投開票結果な件について【国民11れいわ3】

【維新31共産17】「自公266立民133/465」2021衆院選最終予想な件について【国民7れいわ1】(2021/10/30)

政党名 選挙区予想 比例予想 合計
自民党 165 70 235
公明党 9 22 31
立憲民主党 86 47 133
日本維新の会 13 18 31
共産党 1 16 17
国民民主党 5 2 7
れいわ新選組 0 1 1
社民党 1 0 1
諸派・無所属 9 0 9
合計 289 176 465

簡単にまとめると「自民:埼玉など一部地域で盛り返すも、北海道や東京などで静岡ショックによる雪崩発生。大阪は維新の攻勢の前に戦線崩壊」「公明:なんとか現状維持+αは叶いそう」「立民:小選挙区は伸びるが比例はそれほど伸びず」「維新:独り勝ち」こんな感じですかね。自公(266議席)で安定多数(244議席)は獲れますが、自民単独で過半数(233議席)、自公で絶対安定多数(261議席)を獲るのはギリギリのところかも知れません。

この予想に対して、実際の投開票結果は次の通りです(注:投開票後の追加公認分は含まず)。

政党名 選挙区予想 比例予想 合計
自民党 187 72 259
公明党 9 23 32
立憲民主党 57 39 96
日本維新の会 16 25 41
共産党 1 9 10
国民民主党 6 5 11
れいわ新選組 0 3 3
社民党 1 0 1
諸派・無所属 12 0 12
合計 289 176 465

この結果から読み取れる傾向は主に次の3つです。

  1. 立民と共産による野党統一候補戦略は、都市部と一部因縁選挙区以外で機能せず。
  2. 自民と公明は徹底した組織戦で、地方部を中心に接戦区を手堅く勝利した。
  3. 1と2を支持する層以外の無党派層票は、維新・れいわ次いで国民に集中した。

一言で言えば「野党統一候補戦略は一部を除いて失敗した」ということになります。しかし、この結果を非難する資格は私にはありません。私も結果を見るまでは同戦略が有効に働いていると思っていたからです。では、具体的に立民・共産陣営はどこを間違ったのか。各ブロックごとに振り返ってみたいと思います。

  • 北海道ブロック

10/30
●小選挙区・定数12:自民3、公明1、立民8
●比例区・定数8:自民3、公明1、立民3、共産1

10/31
●小選挙区・定数12:自民6、公明1、立民5
●比例区・定数8:自民4、公明1、立民3

事前情報では、現地の自公勢力は全体的に退潮でした。しかし結果として立民は、公示前から当選圏内にあった1区の道下大樹、2区の松木謙公、8区の逢坂誠二、9区の山岡達丸、11区の石川香織しか勝利せず、接戦区の3区の荒井優、4区の大築紅葉、6区の西川将人は自民候補に競り負けました。「ガチの無党派層を主とする空中戦では有利に見えても、地味な票の積み重ねが主の地上戦では意外に弱い」。今回の衆院選で野党統一候補が見せた一つの大きな傾向の縮図が北海道ブロックでした。比例区で共産が議席を獲得できず、自民が4議席目を獲得できたのもその姿の一環でしょう。

  • 東北ブロック(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)

10/30
●小選挙区・定数23:自民14、立民9
●比例区・定数13:自民6、公明2、立民4、共産1

10/31
●小選挙区・定数23:自民16、立民7
●比例区・定数13:自民6、公明1、立民4、維新1、共産1

小選挙区は、岩手3区の小沢一郎@立民が敗北するなど一部サプライズはありましたが、ほとんどの選挙区は公示前予想と変わらない結果に終わりました。このブロックで注目なのは比例区、維新が1議席を確保した点、同党の勢力が全国的に伸長していた点です。立民・共産が受け皿になり切れなかった無党派層・浮動票の受け皿として「第三極」維新がどれだけ大きな存在になっていたかが伺えます。

  • 北関東ブロック(茨城・栃木・群馬・埼玉)

10/30
●小選挙区・定数32:自民24、立民7、無所属1
●比例区・定数19:自民8、公明3、立民5、維新2、共産1

10/31
●小選挙区・定数32:自民26、立民4、国民1、無所属1
●比例区・定数19:自民7、公明3、立民5、維新2、共産1、国民1

小選挙区は、群馬・栃木は予想通りでした。しかし埼玉では、野党の票の積み上げが終盤鈍化しました。当初、自民は15区中半分、最終盤でも9区(1・2・4・8・9・11・13・14・15区)を確保と読んでいましたが、結果は、15区中12区(1・2・3・4・7・8・9・10・11・13・14・15区)を獲り完勝。着実な票の積み上げでは自民に一日の長があることを見せつけました。野党陣営が攻勢に出ていた茨城も同様で、1区を元民進党の福島伸享@無所属が獲り、5区を浅野哲@国民が獲るまでが精いっぱい。「負けない男」中村喜四郎@立民が7区で敗北し、岩手3区の小沢共々、一つの時代の終焉を思わせました。比例は公明が3議席目、維新が2議席目を確保したほか、国民が1議席を確保し、同党のしぶとさを垣間見せました。

  • 南関東ブロック(千葉・神奈川・山梨)

10/30
●小選挙区・定数33:自民19、立民14
●比例区・定数22:自民8、公明2、立民7、維新2、共産3

10/31
●小選挙区・定数33:自民22、立民11
●比例区・定数22:自民9、公明2、立民5、維新3、共産1、国民1、れいわ1

千葉の立民は最後まで攻勢を続けており、1区の田嶋要、4区の野田佳彦、8区の本庄知史、9区の奥野総一郎の計4名が当選したのは想定内でした。一方の神奈川。無党派層・浮動票の動向から最終版でも18区中7区(1・4・6・8・9・12・16区)を立民が獲ると見ていましたし、実際に13区で甘利明@自民を狩るという金星を挙げましたが、全体としてはそれ以上の伸びはなく、大都市圏での野党統一候補戦略の限界が見えたのが神奈川でした。1区と2区の両方を自民が獲り、今回の衆院選における「地方の取りこぼしは許さない」自民の本気の象徴となった山梨とは対照的でしたね。比例でれいわと国民が議席を確保、立民が5議席目止まりだったのは、無党派層の出した一つの答えと言えるでしょう。

  • 東京ブロック

10/30
●小選挙区・定数25:自民12、公明1、立民11、無所属1
●比例区・定数17:自民7、公明2、立民4、維新1、共産2、れいわ1

10/31
●小選挙区・定数25:自民15、公明1、立民8、無所属1
●比例区・定数17:自民6、公明2、立民4、維新2、共産2、れいわ1

無党派層頼りな野党統一候補戦略の強みと限界の両方が如実に表れたのが東京。自民の有名どころ、3区の石原宏高、5区の若宮健嗣、6区の越智隆雄、7区の松本文明、8区の石原伸晃、9区の安藤高夫、18区の長島昭久、19区の松本洋平らを狩りながら、全体として25区中8区(3・5・6・7・8・9・18・19区)しか獲れていない「お祭り選挙区以外の脆さ」。ここが今回の野党連合の弱さでしたね。

  • 北陸信越ブロック(新潟・富山・石川・福井・長野)

10/30
●小選挙区・定数19:自民10、立民8、無所属1
●比例区・定数11:自民5、公明1、立民4、共産1

10/31
●小選挙区・定数19:自民14、立民4、無所属1
●比例区・定数11:自民6、公明1、立民3、共産1

野党統一候補戦略の最前線が機能している姿(新潟)と崩壊する姿(長野)が一緒に伺えたのが、このブロック。特に長野の野党陣営。こんなに競り合いに弱かったっけ?

  • 東海ブロック(岐阜・静岡・愛知・三重)

10/30
●小選挙区・定数32:自民19、立民11、国民1、無所属1
●比例区・定数21:自民9、公明2、立民6、維新2、共産2

10/31
●小選挙区・定数32:自民24、立民6、国民1、無所属1
●比例区・定数21:自民9、公明3、立民5、維新2、共産1、国民1

岐阜と静岡、三重に大きな波乱はありませんでしたが、旧民主の金城湯池・愛知には、野党統一候補戦略の拠点としての強さが感じられませんでした。トヨタ労連との手切れショックもあったのでしょうが、15区中3区(3・12・13区)しか立民が獲れなかったというのは、本拠地・大阪で無双を展開した維新とは好対照を成します。比例区も同じ。立民・共産の野党統一候補戦略には大きく勝ちに行ける拠点が無い。東海はそれが顕著に表れたブロックと言えるでしょう。

  • 近畿ブロック(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)

10/30
●小選挙区・定数47:自民21、公明6、立民4、維新13、国民2、無所属1
●比例区・定数28:自民8、公明3、立民4、維新9、共産3、国民1

10/31
●小選挙区・定数47:自民17、公明6、立民4、維新16、国民2、無所属2
●比例区・定数28:自民8、公明3、立民3、維新10、共産2、国民1、れいわ1

大阪における維新無双。これに尽きます。公明の3・5・6・16区以外、全ての選挙区を維新が丸取りなんて誰が予想できますよ。否、それを可能とするだけの集票力を大阪に再構築した維新をこそ誉めるべきなのかも知れません。少なくとも立民・共産には、維新のような拠点構想や実行戦略は見られませんでした。時間的制約があったと言えばそれまでですが。

  • 中国ブロック(鳥取・島根・岡山・広島・山口)

10/30
●小選挙区・定数20:自民18、公明1、立民1
●比例区・定数11:自民5、公明2、立民2、維新1、共産1

10/31
●小選挙区・定数20:自民17、公明1、立民1、無所属1
●比例区・定数11:自民6、公明2、立民2、維新1

自民の底力を再認識したブロック。他のブロックがどんなに劣勢でも、このブロックだけは無敵。近畿ブロックの維新でも触れましたように、自民にはそれがあり、立民・共産にはそれがなかった

  • 四国ブロック(徳島・香川・愛媛・高知)

10/30
●小選挙区・定数11:自民8、立民2、国民1
●比例区・定数6:自民3、公明1、立民2

10/31
●小選挙区・定数11:自民8、立民1、国民1、無所属1
●比例区・定数6:自民3、公明1、立民1。維新1

議席を獲った野党候補は、徳島1区の仁木博文@無所属、香川1区の小川淳也@立民、香川2区の玉木雄一郎@国民。彼らに後藤田正純や平井卓也といった有名どころを喰われても傷をそれ以上大きく広げなかったのが、今回の衆院選での自民の強さ。全ブロックに亘って静岡ショックを最小限に抑えたのが、同党の「勝因」と言えるでしょう。

  • 九州ブロック(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)

10/30
●小選挙区・定数35:自民17、立民11、共産1、国民1、社民1、無所属4
●比例区・定数20:自民8、公明3、立民6、維新1、共産1、国民1

10/31
●小選挙区・定数35:自民22、立民6、共産1、国民1、社民1、無所属4
●比例区・定数20:自民8、公明4、立民4、維新2、共産1、国民1

いくら内ゲバが激しくても、最後の最後には帳尻を合わせる自民の真骨頂・九州。内ゲバ続きの福岡でも5区の堤かなめ@立民、9区の緒方林太郎@無所属、10区の城井崇@立民にしか議席を許さず、長崎4区では北村誠吾が、鹿児島1区では宮路拓馬が、沖縄4区では西銘恒三郎が議席を守った自民。やる時はやるのな(注:宮崎1区の武井俊輔、てめーはダメだ)。そしてここでも比例で議席を伸ばす維新。


「曰く、勝ちに不思議の勝ちあり」
「負けに不思議の負けなし」

私も精進精進。

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