「難民回廊は欧州人のエゴをもって封鎖されたり」 ~ イタリア大衆迎合政権、ドイツからの送還移民便の自国着陸を認めないと宣言

3年前の不安通り&2年前の予想通りの展開。

「難民回廊は中東人の涙をもって舗装されたり」 ~ 難民の弾圧・押し付け合いで混乱が拡大する東欧(2015/9/20)

ポーランドはEUの難民分担受け入れ計画から離脱するか ~ ポーランド上下両院選で反難民の最大野党「法と正義」が優勢(2015/10/25)

  • 結論から言うと、同国のドナルド・トゥスクが欧州理事会議長に就いているうちは離脱はない。ありうるケースとしては、「彼の辞任と同時の離脱」に1票。トゥスクの任期が残りざっと1年半として、その間に今の難民大移動が終わるかどうか、まずは我慢比べかねえ。もっとも、実質的に離脱と言うか、遠からず非協力体制にシフトするのは間違いないけどな。
  • ポーランドに続くのはどこだろう。9月のEU内相会議で難民分担案に反対したハンガリー、ルーマニア、スロバキア、チェコの4カ国に加えて、最近「もう難民は勘弁してくれ」という本音ダダ漏れのブルガリアやデンマーク、国境地域や地方自治体レベルで難民の押し付け合いの動きが強まっているオーストリアやイタリア、フランス、ギリシャといったところか。EU構成国のざっと1/3に「破局」が訪れるな。

「欧州春の難民祭り」を前にバルカン諸国戦々恐々な件について(2016/3/6)

  • 現地の大人は欧州人も難民も有効な施策を打てない。欧州への難民流入を容認したメルケルが、致命的に初手を間違ったばかりに、この有様。地獄だな。2016年夏~秋の欧州には、2015年が天国に見えるほどの過酷な現実が訪れる。

そして2018年。2015年末の難民危機の問題先送りのために欧州上層部が改訂したダブリン規則(規約)が、欧州を更なる混乱へ導こうとしている。

皮肉な話だな。そして教訓と示唆に富んだ話でもある。特に「疲れきった中間層の思考停止が反知性主義政権を次々と生み出している」世界と「その世界的な潮流を警戒しつつ移民問題を本格的に考えねばならない」日本にとっては。

チャーター便で移民送還、ドイツ計画に伊内相「空港閉鎖する」

【AFP=時事】ドイツで難民申請を却下された移民を独政府がチャーター機で経由地のイタリアに送還する計画だとの報道を受け、マッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)伊内相は7日、イタリア国内の空港を閉鎖すると警告した。
極右政党「同盟(The League)」を率いるサルビーニ内相は、「もしドイツ政府や欧州連合(EU)首脳部の中に、多数の移民を無許可のチャーター便でイタリアに降ろそうと考える者がいるとしたら、そんなことが可能な空港は今もこれからも存在しないと知っておくべきだ」とツイッター(Twitter)に投稿した。
サルビーニ内相はさらに、この夏イタリア政府が移民救助船の入港を禁じた点にも言及。「港を閉鎖したのと同様、われわれは空港も閉鎖するだろう」と述べた。
これに先立ち独DPA通信は7日、難民申請を却下された移民たちをドイツ政府が間もなくチャーター便でイタリアに送還すると伝えた。DPAによると、第1便は8日、第2便は17日に出発予定で、送還される移民の大半はイタリアを経由して欧州連合(EU)に入ったナイジェリア人だという。
伊日刊紙レプブリカ(La Repubblica)も6日、ドイツ連邦移民・難民庁(BAMF)が難民申請者に対し、いわゆる「ダブリン(Dublin)規則」に基づいて「すぐにでも」イタリアへ送還すると警告する通達を行ったと報じていた。
ダブリン規則は、移民が最初に入国した国に保護責任があるとする難民保護ルールだが、論争の的となっている。
一方、ドイツ内務省は7日夜、「近日中に(移民を)イタリアへ送還する計画はない」とDPAの取材に説明している。【翻訳編集】 AFPBB News。

(2018/10/8 AFP-BB)

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