「最高レベルの特別な関係」米英、2018年夏

主張と利害の裏表が混在するのは国際外交の常だから、トランプ米大統領とメイ英首相が涙ぐましい「嘘吐き王決定戦」を演じていることについてはとやかく言わんけど、

  • トランプ氏は会談に先立つ英メディアとのインタビューで、メイ首相が欧州連合(EU)からの離脱方針で、EUとの協調を優先したことを痛烈に批判
  • 会談後の共同記者会見では「フェイクニュースだ」と弁解

これは流石に

米国というかトランプの立場からすれば、「英国は早々にEUと切れてワシの女になれ」「お前の身請けの価はFTAの床の上でジックリと見定めてやるによってな」(注:津川雅彦な脳内ボイスで再生下さい)というのが本音なのは世界の誰でも知っているが、その本音を、よりにもよってメイとの会談前の英メディアとのインタビューで開陳するかね普通。

挙句、それが記事になったら「フェイクニュースだ」と言い放ち、発言の責任は取らない一方、脅迫の実利だけは得ようとする醜態を世界に晒すかね普通。

英国は英国で、そこまでコケにされていながら忍の一文字で我慢を続け、女王陛下にこのヤクザオヤジの接待をさせるかね普通。

まこと「最高レベルの特別な関係」だよ。今の米英は。

<米英首脳会談>トランプ氏、英の対EU協調を批判

【ロンドン高本耕太、三沢耕平】英国訪問中のトランプ米大統領は13日、ロンドン近郊の首相別邸チェッカーズでメイ首相と会談した。安全保障協力や2国間自由貿易協定(FTA)締結などが協議されたが、トランプ氏は会談に先立つ英メディアとのインタビューで、メイ首相が欧州連合(EU)からの離脱方針で、EUとの協調を優先したことを痛烈に批判。会談後の共同記者会見では「フェイクニュースだ」と弁解したが、米英の「特別な関係」に水を差す格好となった。
共同記者会見でメイ氏は「EU離脱後のFTA締結を追求する」と述べ、経済連携強化の考えを強調した。トランプ氏も「両国は最高レベルの特別な関係だ」などと応じた。
トランプ氏は英大衆紙サンが12日報じたインタビューで、「離脱方針を巡ってメイ首相は私の助言を無視した」と指摘。英国は米国とFTAを締結することで離脱ショックを和らげるプランを描き、メイ氏は今回の会談で協議を加速させたい考えだったが、トランプ氏は「メイ氏の方針が実行されれば、我々とFTAを結ぶ機会はつぶれる」と述べていた。
メイ首相の方針はEUの一定のルールに従うもので、通商上の主権の回復を求めていた強硬路線派から批判を浴び、トランプ氏の盟友とされるジョンソン外相ら複数の閣僚が辞任した。インタビューでジョンソン氏について「メイ首相より首相の資質が備わっている」と述べ、EUからの強硬離脱を求めた。

(2018/7/14 毎日新聞)

 

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