ナチの時代のお歴々に限らず、結構悪い意味で職人気質、結果に向かって一心不乱に突っ走り過ぎるところはあるよね。ドイツ人って。
つっても、今回問題になった実験って、別に「被験者は死んだが科学の進歩に寄与した」なんて最恐にマッドな結論を求めるモノではなく、「ディーゼル車の排ガスと人間の健康被害の因果関係を確認するよ」な代物。ぶっちゃけ、(* ̄- ̄)ふ~んなレベル。
被験者が自由意志のもと報酬次第で自分の身をリスクに晒すのは、例えば製薬業界の治験(臨床試験)ではよくある話。なので、今回もそんな大騒ぎする話かなあと思わんでもない。自分の意志での被験拒否が認められない実験動物と違い、21世紀の人間のほとんどには、嫌なことを拒否する自由があるからね。
こんな感じで。闇金ウシジマくんに出てくる「人生終了済み」系な人たちは別として。
もちろん、「排ガスが人体に良いわけないくらい分かり切ってる」上での人体実験は、その無意味さ故に非難されるべきだし、そもそも、その実験を自動車業界の肝入り機関がお手盛りで実施したってこと自体が、実験の中立性や公正性に疑念を抱かせる。動物実験への倫理的意見その他も含めて、本件では人体実験が云々ではなく「その実験、意味ある?」の方を問題視して欲しいね。特にドイツ国内各界の偉い人には。で、それはそれとして、
実験は気密室に入れたサル10匹にアニメを見せながらVWのビートル(Beetle)から出る排ガスを吸わせるものだった。
実験中のサルにアニメを観せる意味が、さっぱり分からん。ビートルの排気管前から動かないように、お猿さんの注意を惹くため?だとして、何のアニメを観せればそういう効果が得られるの?おいら、そっちの内容の方がよっぽど気になりますわ。
【1月30日 AFP】ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)、ダイムラー(Daimler)、BMWの3社が、ディーゼル車の排ガスを人やサルに吸わせる実験に出資していたことが判明し、非難の矢面に立たされている。排ガス不正問題に続き、同国の主力産業である自動車業界がまたもやスキャンダルに見舞われた形だ。
ディーゼル車の排ガスは、ぜんそくや肺疾患、心臓発作との関連性が指摘されている。実験に関する報道は各方面で怒りの声を呼び、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相も、シュテフェン・ザイベルト(Steffen Seibert)報道官を通じ出した声明で「サルや人までをも対象にしたこれらの実験は、倫理上正当化のしようがない」と強く非難した。
独日刊紙の南ドイツ新聞(Sueddeutsche Zeitung)とシュツットガルト新聞(Stuttgarter Zeitung)は29日、3社が出資していた研究団体「運輸部門における環境と健康に関する欧州研究グループ(EUGT)」(現在は解散)が、健康な25人を対象に窒素酸化物を含むガス吸引の影響を調べる実験を2013~14年にドイツ国内で委託していたと報道。
その数日前には米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が、同団体が2014年に米国でサルを対象にした実験を行っていたと報じていた。同紙によると、実験は気密室に入れたサル10匹にアニメを見せながらVWのビートル(Beetle)から出る排ガスを吸わせるものだった。
VWは先週末、この動物実験について謝罪し、同社は「いかなる形態の動物虐待からも明白に距離を置く」と言明していた。
ドイツのクリスチャン・シュミット(Christian Schmidt)運輸相代行は、政府が問題企業との特別会合を求めたと説明。「これは自動車業界に対する信用をまたも傷つけた」と指摘している。
自動車業界は長きにわたり、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて環境に優しいと主張していた。だが2015年、VWが排ガス試験での不正を可能にするソフトウエアを1100万台のディーゼル車に搭載していたことを認めたことで、同業界には厳しい目が向けられた。
3社はEUGTと距離を置く姿勢をみせ、内部調査を開始すると約束している。BMWは声明で「BMWグループは問題の研究には参加しなかった」と説明。一方のVWは、EUGTは「独立した」研究機関として設立されたものだったと言明している。
人とサルを対象とした実験はいずれもEUGTが委託したものだったが、同団体はディーゼル車の高い環境性能を示すことを目標に3社の出資によって設立されていた。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK。
(1月30日 AFP-BB)
ここで「ポプテピピック4話 Let’s Pop Together 元ネタ比較」を紹介。
むしろ、「怒られたら素直に謝ろうね>関係者」と思うのは、今回のドイツの自動車屋の騒動よりこちらの方。
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