イラクのモスルに続き、シリアの最重要拠点にして「自国」の「首都」と位置付けていたラッカが陥落したことで、両拠点を結ぶ形で存在していた疑似国家・イスラム国は崩壊した。シリア内に残るISの重要拠点としては、ラッカの南東に位置する油田地帯・デリゾールがあるが、イスラム国に組織的抵抗はもはや不可能だろう。遠からず、デリゾールも陥ちる。
問題は誰の手の中に陥ちるかだ。今回ラッカを解放した主戦力で、米国の支援を受けるクルド人武装民兵組織「シリア民主軍」(SDF)か、それとも、ロシアの支援を受けるシリア政府軍か。どちらが先にデリゾールを手中にして、所有権を主張しても、もう片方は決して納得しないだろう。
イラクでは、モスル解放直後にクルド自治政府とイラク中央政府が改めてケンカを再開、油田地帯・キルクークを巡ってクルド人民兵組織「ペシュメルガ」とイラク政府軍が衝突したばかり。イラクでおきた「IS戦争後のクルド人vs中央政府」がシリアでも起こる可能性は高い。まして、イスラム国の首魁、アブバクル・バグダーディは行方知れずで、イスラム国シンパのテロリストは世界中に散らばっている。
イスラム国は崩壊した。しかし、テロという毒草の根は残ったまま。戦乱の種はむしろ散らばった。まだ何も終わっていない。週刊少年ジャンプ風に言えば、「本当の闘いはこれからだ」。
それも、胡散臭くてパチモンな正義の味方連中のド突き合いという、半分喜劇で半分悲劇なたぐいの。
困ったもんだ。
【カイロ=佐藤貴生】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称してきたシリア北部ラッカについて、AP通信は17日、米軍の支援を受けるシリア民主軍(SDF)報道官の話として、「戦闘は終結し、ラッカを解放した」と伝えた。「首都」の陥落でISが標榜(ひょうぼう)してきた「疑似国家」は事実上、崩壊した。
シリア人権監視団(英国)は同日、「IS勢力が完全に掃討された」と発表した。ISの最高指導者、アブバクル・バグダーディ容疑者ら幹部の所在は不明。同監視団はIS幹部らの逃走先とされるシリア東部デリゾールの90%以上をアサド政権軍が制圧したと明らかにした。
一方、ロイター通信が同日、米軍当局者の話として伝えたところによると、約100人のIS戦闘員が残っているという。SDFは残存する戦闘員の捜索や地雷除去を行っている。
ISが2014年にラッカを「首都」に定め、実効支配してきたが約3年ぶりに解放された。ISは今年7月、重要拠点のイラク・モスルを失っている。
SDFは6月上旬、米軍など有志連合による空爆の支援などを受け、ラッカ市内への進攻作戦に着手。今月15日には「最後の攻撃」を始めたと述べ、最終局面に入ったと明らかにしていた。
ここで「神風の解【艦これMMD】」を紹介。
まて。光物はともかく毒餌漁法はあかん。
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