【闇社会の守護神】田中森一氏、死去【元・特捜のエース】

 おいらと住んでる世界はまるで違ったし、アウトローな世界の住人をことさら持ち上げるのもどうかとは自覚してるけど、個人的には、すっごい魅力のある面白いおっさんだった。昭和がどんどん遠くなる。宅見勝が騙されてキレた話とM資金の逸話、好きだったなあ。イトマン事件も含めたこれらの人物や逸話の真相が、白日のもとに晒される時は来るのだろうか。

 来ないほうが面白いけどね。

「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり」高杉晋作

 田中氏が闇世界に身を転じて知り合った大物政治家の一人は、安倍晋太郎。石橋産業手形事件の刑が確定した時の政権は、第一次安倍晋三政権。そしてこの世を去ったのは、第二次安倍政権が衆院を解散した翌日。これもまた何かの因縁、運命の悪戯なのかな。

「闇社会の守護神」、元特捜部検事の田中森一さん死去

 東京地検と大阪地検の元特捜部検事で、元弁護士の田中森一(たなか・もりかず)さんが22日、東京都内の病院で死去した。71歳だった。朝日新聞の取材に対し、親交のある知人が明らかにした。

 長崎県出身。1971年に検事に任官し、特捜部時代には撚糸工連汚職や阪大ワープロ汚職などの捜査に携わり、「特捜のエース」とも呼ばれた。バブル経済期の88年に弁護士に転身。戦後最大の経済事件といわれた「イトマン事件」の主犯・許永中元受刑者らと共謀し、東京の商社・石橋産業から96年に額面約179億円の約束手形を詐取したとして古巣の東京地検特捜部に逮捕された。

 保釈されて上告中だった2007年6月、検事時代の裏話や検察を辞めた後の政治家、暴力団との交流を明かした「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」(幻冬舎)を出版。ベストセラーになった。石橋産業事件で08年2月に懲役3年の実刑が確定し、弁護士資格を失った。服役中の10年2月には別の詐欺事件でも実刑が確定。12年11月の仮釈放後は東京で執筆や講演などの活動をしていた。

 関係者によると、今年2月に胃がんが再発したことが分かり、今秋から入院していたという。(川見能人、阿部峻介)

(11月22日 朝日新聞)

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