読売新聞社の「教育」に関する全国世論調査(面接方式)で、親の経済力の差によって子供の学力格差も広がっていると感じている人が75%に上った。
格差社会の拡大が指摘されているが、所得の格差が教育環境を左右し、子供の学力格差につながっているとの意識を多くの人が持っていることが分かった。
また、最近の子供の学力が以前に比べ低下していると思う人は6割以上に上った。小学校からの英語教育必修化に賛成する人は67%だった。
調査は5月13、14の両日に実施した。
家庭の経済力によって「子供の学力の格差が広がっている」との指摘について、「そう思う」が「どちらかといえば」を含め75%で、「そうは思わない」計21%を大きく上回った。
(読売新聞) – 5月28日
現実問題として、家庭の経済力の差→塾や予備校でより高い教育を受けられるか否かが子供の学力差に繋がっているのは事実でしょうね。そしてその学力差が、学歴=労働市場での価値=成人後の所得差再拡大のベースになっているのも事実でしょう。
が、3/30の日記にも書きましたが、その格差拡大は今の産業構造の変化から考えれば、「それがどうした」な「当然の流れ」。それを今から矯正するのはどだい無理な話というものです。神楽は、構造的な格差拡大を嘆くよりも、所得をベースにした各種格差を容認し、格差に応じた階層的な教育サービス施策を進め、そしてその受け皿としての階層的な労働市場を既定すること、その労働市場レイヤー間の移動ルートを常時確保することこそ、国家の教育・労働市場戦略としては重要ではないかと考えます。
国民に遍く食い扶持を提供するのは国家の義務。しかし食った後チャンスを掴むのは国民各人の権利。そこの線引きを曖昧にしている現状こそが、この問題の責任の所在を不明確にしている遠因ではないでしょうか。
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