自民党の森喜朗前首相は27日午後、富山市で開かれた同党富山県連大会で講演し、来年夏の参院選について、郵政民営化法案に反対し同党を離党した衆院議員の協力を得なければ1人区での勝利は容易でないと指摘。その上で「(同法案に)1回反対したからと、切り捨てるのでは、かつてのソビエト、中国共産党だ」と述べ、造反組の復党を模索すべきだとの考えを示した。
森氏はまた、「29の1人区で20(議席)は取らなければいけない。それに公明党の12、13議席を加えれば、何とか過半数を維持できる」と述べた。さらに「(参院選で)国民新党がキャスチングボートを握る」と語った。
一方、森氏は、教育基本法改正案や国民投票法案の扱いに関し「6月18日(の会期末まで)ではどう考えても(成立は)難しい。そのことは次の内閣でやればいいと(小泉純一郎首相が)考えているのなら、小泉さんは何だったのか。郵政民営化にエネルギーを使い、後は任せるというのでは改革の政治家としての存在意義がなくなる」と強調。同改正案などの今国会処理に向けた会期延長に否定的な首相の姿勢を批判した。
(時事通信) – 5月27日
小泉劇場の退潮に乗じて造反組が泣き付いたのか、他の要因で森氏が篭絡されたのか、単に小泉首相のやりかたが気に喰わないのかは分かりませんが、「新しき功(の可能性)をもって古き罪を許す」とやり方は問題でしょう。造反組が従来の主張を変えていないのに、自民党側が一方的に折れて協力を請うというのは、政権与党としての鼎の軽重を問われるのではないでしょうか。
森氏は安倍・福田両氏の問題について、「私は(一本化へ)調整するわけでもなければ、2人を放任するわけでもない」「他のグループは、森派はきっと割れると待っている」と言及していますが、他派の漁夫の利を警戒するのは当然としても、必要以上に現状維持・懐古主義的なスタンスを採るのは、今の時代の政治家としていかがなものか。
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