トヨタ レクサスをテコ入れ…鳴り物入りも販売台数伸びず

 トヨタ自動車が高級車ブランド「レクサス」の国内販売を始めて今月末でちょうど1年。米国での高い評価から鳴り物入りの登場だったが、ベンツやBMWなどドイツ系高級輸入車との競合も激しく、当初の思惑通りには販売台数が伸びていない。このため、トヨタは9月19日に発売するセルシオ後継の最上級車「LS」の投入を起爆剤に巻き返しを図る狙いだ。ただ、ブランドイメージを左右し、しかも1台当たりの利益も厚い「旗艦車」投入だけに、つまずきは許されず、早くも安全対策をアピールするなどテコ入れに躍起だ。

 レクサスブランドの乗用車は「05年内に2万台」とした販売目標に対し半分の1万293台しか売れなかった。このため、06年は目標のハードルを年3万台に下げたが、7月末までで1万2952台にとどまっている。トヨタ社内でも「時間をかけてやるしかない」(岡本一雄副社長)と語られている。

 4月に国土交通省に届け出たレクサス車約1万1000台を対象としたシートベルト欠陥のリコール(回収・無償修理)も、販売拡大には痛手だった。リコール対象車は、既に販売したレクサス車の7割にも当たり、高品質が売り物の高級車のイメージを下げてしまった。

 ただ、トヨタ社内の一部に楽観論があるのは、「旗艦車のLSの売れ行きでこそ真価を問われる」と見ているためだ。「高級車の販売では、従来の販売店と顧客とのつきあいが生きる。現在のセルシオからの乗り換えを考えれば、そう悲観的にならなくてもよい」(役員)との声も漏れる。89年から累計約36万2000台も売れたセルシオの乗り換え需要に期待するわけだ。

 LSの販売動向が、レクサス全体の行方を占う指標となることは間違いない。このため、通常は発売と同時に開く新車発表会を発売5カ月前の4月に東京で開いたほか、受注も通常より1カ月前倒しした発売2カ月前から受け付ける力の入れようだ。【岩崎誠】

(毎日新聞) – 8月26日

 「国産トヨタ」のブランド(信用)と「高級車レクサス」のブランド(ステイタス)の融合未だならずといったところでしょうか。これからもずっと「融合ならず」かもしんないけど。

 巷には「潜在ユーザー(セルシオ系?)はLS待ち→本当の勝負はこれからだ!」って意見もあるけど…本当かなあ?。レクサス苦戦のそもそもの問題は、「高級車ユーザーにとってはブランドイメージ物足りず」「ちょっと小金持ちユーザーにとってはケア一般のサービスが物足りず」という、ユーザーの顔を向いていない営業戦略の中途半端さがあるように思うんだけど。だから、LSというよりは、セールスポイントが明確でユーザーニーズを掴みやすいRX-Hybridの方が、起爆剤としては期待できるんじゃないかなと思いますけどね。

 …とか言ってたら、こんな記事も。さあ、どっちに転ぶか!?詰むや詰まざるや!?(違)。

高級車「レクサスLS」予約1万台超に…トヨタ見通し

 トヨタ自動車は、9月19日に発売する高級車「レクサスLS」の予約受注が1万台を超えるとの見通しを26日、明らかにした。

 価格設定は770万~965万円。この価格帯の高級車は、年間販売台数が1万台に届かないことも多く、「LS」の予約台数は異例と言える。

 トヨタは7月からLSの予約受注を始め、現時点で8000台を超えた。乗用車の販売では通常、試乗して乗り心地を確認してから購入を決める消費者が多く、予約受注という手法自体が珍しい。

 「レクサス」ブランドは昨年8月に日本で発売して以来、苦戦している。LSでは、来年春に発売予定のハイブリッド車が1000万円超となる見込みで、巻き返しを狙う。

(読売新聞) – 8月27日

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