エジプトのモルシ大統領失脚劇は、「中東大戦」の嚆矢になるか?

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 結論から言うと「それは無い」。今回のエジプトの政変は、「エジプト国民による民族主義的なイスラム勢力のパージ劇」と言うよりも、「政権運営能力が欠如していたモルシとムスリム同胞団の自滅」だ。他の中東諸国のイスラム勢力が、大同団結して「無能を世界に知られた同胞」のために、エジプトにちょっかいを出すと言う展開は、漫画の世界でもありえない。

 ただ、このまま引っ込むわけには行かないムスリム同胞団、というより、そのお仲間のハマスが、記事内にあるようなエジプト国内や、今回の政変を機にエジプトとの関係を再構築しようとするであろうイスラエル国内で、テロ行為を起こす可能性はあるけどね。

 その意味で、スエズとシナイに非常事態宣言を出したエジプト軍の判断は正しい。しかし、今の情勢下では、最終的に極めて局地的な事態に止まると考える。

 いずれにしても、エジプトは早期に民政への回帰を進めるべきだ。2回の政変とも軍という「暴力」が最後にはモノを言った。安直に暴力に頼る大衆が最後に選ぶのは、「力を誇示することで支持を得る独裁者」と相場が決まっている。エジプトという大国が、そのような独裁者を大衆の支持のもとでTOPに据えるという展開が、この先一番恐ろしい。

<エジプト>同胞団数万人デモ 暫定政権、憲法宣言へ

 【カイロ秋山信一、宮川裕章】軍事クーデターでモルシ前大統領が解任されたエジプトで5日、モルシ氏の出身母体・穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団がクーデターに抗議する数万人規模のデモを行った。軍は平和的デモは容認しているが、反モルシ派との衝突を警戒し装甲車部隊の展開を継続。マンスール暫定大統領が率いる暫定政権は、5日にも停止した憲法に代わる憲法宣言(暫定憲法)を発表するとみられる。

 一方、エジプト東部シナイ半島で5日未明に軍検問所が襲撃され兵士1人が死亡、軍はスエズ、南シナイ両県に非常事態宣言を発令した。クーデターに抗議するイスラム組織の攻撃との見方もある。

 暫定政権は内閣の人選を加速。首相候補にはエルバラダイ国際原子力機関前事務局長やラメズ中央銀行総裁、オクダ前総裁らが挙がっている。

 同胞団は4日の声明で「大統領は民主的に選ばれたモルシ氏」と主張。軍主導の暫定政権に協力せずデモを継続する方針を示した。

 同胞団が集会の拠点としているカイロ郊外のラバ・アダウィーヤ・モスク周辺には1万人以上が集まり「正統性はモルシにある」と気勢を上げた。同胞団は第2の都市アレクサンドリアなどでも抗議デモを開催した。金曜日はイスラム教の集団礼拝日で群衆が集まるため、治安部隊などとの衝突への発展も懸念される。

 地元メディアは軍関係者の情報として、同胞団の最高指導者バディア氏が拘束されたと伝えた。だが同胞団はツイッターで「拘束は未確認」と主張するなど情報戦が起きている。

(7月5日 毎日新聞)

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