政策感応度の高い海外筋をはじめ、機関投資家が「ゲームやバイオ銘柄が崩れ始めた。日銀も長期金利抑制の考えをアナウンスした。頃はよし!」と一斉に利確し、雪崩のように崩れた23日の証券市場。
これが一時的な相場調整やアベノミクス・バブルの崩壊の始まりと見る向きもあるが、それは間違いだ。今日の前場の微妙な自律反発と、日銀・黒田総裁の再アナウンスで腰が砕けた後場の相場が、それを何よりも物語る。
確かに、この数ヶ月、一部の銘柄はバブっていたが、日経225を占める主要銘柄のPERは、昨年度後半からの業績回復から考えれば妥当、むしろ割安だ。株価の回復ペースこそ速かったが、割高&バブルの水準ではない。
昨日の大暴落は「バブルな相場が崩れた」のではない。「大事になる前に、官側が関連機関との暗黙の了解の下で、相場を崩した」のだ。自分たちが影響を制御できる範囲内で。
遅まきながら、証券市場というより、一般社会も先日来の日銀や政府筋のアナウンスの意味するところを理解した。それが、今日の後場のヘタレチャートと帳尻併せの小反発だ。
今後暫くは、こういう「金利政策や為替政策についての官側のアナウンスにビクビクしながら」「でも、結局は経済のファンダメンタルの回復に沿った緩やかな上昇チャートを描く」相場が続くだろう。これが「アベノミクスが演出する中期的な資産バブル形成」戦略の1つだからだ。
結論。当面、投資家は何も心配することは無い。「アベノミクスの本番」は、昨日から始まった。パニックに陥ることなど、笑止な限りだ。
東京株、連日の乱高下=振れ幅1000円―長期金利も変動、円続伸
24日の東京株式市場は、自動車、電機株を中心に買い戻され、日経平均株価は前日比128円47銭高の1万4612円45銭と反発した。ただ、前日に続き一日の振れ幅が1000円を超える乱高下となり、投資家心理の不安定さを印象付けた。長期金利も、引き続き大きく変動した。
東京外国為替市場では、株価の乱高下を背景に積極的な投資意欲が後退し、円は逃避先通貨として買われ続伸した。午後5時現在は1ドル=101円59~60銭と前日比33銭の円高・ドル安。
株式市場では、雇用、住宅の経済統計が市場予想を上回った米国の景気回復期待を背景に、企業業績の改善が予想される輸出関連株の値上がりが目立った。しかし、午前の取引開始直後に大幅高となった銘柄が急速に伸び悩むなど、売買が激しく交錯し、落ち着かない取引に終始した。市場関係者からは「株安が止まったとは言い切れない」(大手証券)と弱気の声が上がった。
外為市場では「大きく動く日経平均に注目が集まり、円相場は株に連動しやすい」(大手邦銀)との指摘が出ていた。
東京債券市場は、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが乱高下した。朝方は株価反発を受けて債券を売る動きが強まり一時、前日比0.070%上昇(価格は下落)し0.905%を付けた。午後は一転して、日銀の国債買い入れオペレーション(公開市場操作)や株価下落を受け、一時0.825%まで低下した。
(5月24日 時事通信)
むしろ不満なのは、そういう背景について語るメディアが、非常に少数派だということだ。今日になって、やっと一部の経済専門誌が、この構図について触れだしたが、まだ足りない。
ITバブルの時のように「詐欺師に騙されて踊らされる」のも、バブル崩壊にビビって「臆病神に取り付かれて踊るのをやめる」のも、そろそろ日本の投資家は卒業するべき。「相場の演出家の意図を汲んで慎重かつ正確に踊る」のだ。それが正しく「相場の波に乗る」ってことだよ。
ここで「進撃の巨人小ネタ集」を紹介。
もう誰も信じられないw
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