今回のメイ首相の声明を受けて、「英国はパレスチナ侵略をこう正当化しているが、日本は同時期の先祖がやらかしたことについてどう考えているんだ?」と噛みつかれそうな予感。どこの国からとは申しませんけれど(日本海の向こうの西方某国を見ながら)。
何と申しますかね、現在の国際社会において、歴史の加害者サイドに置かれ続けて70年余の日本が、自分から言う事ではないですが、
「21世紀のグルーバリズムな常識で、20世紀初頭~WWIIまでの帝国主義的な歴史を『断罪』するのは、そろそろやめにしませんか」
帝国主義の亡霊が存命中で、イデオロギー的に「歴史」を利用する手法が有効だった30~50年前の冷戦期であればともかくも、当時の関係者不在の2017年では、流石にメリットよりデメリットが多いように考えます。それを無視して断罪プレイを強行し続けたところで、加害者サイドも被害者サイドも、主体的な謝罪や糾弾を行いようのないまま、惰性で年月を浪費するだけだと思うんですけどね。
21世紀の知見で20世紀の歴史を「分析」するのは、この先も大いに結構な話です。が、その作業はあくまでもアカデミアの世界で止めるべきではないかと、今日のこの報道を目にして改めて考えました。
パレスチナにユダヤ人国家を建設することを英国が支持した「バルフォア宣言」から100年を迎えた2日夜、記念の夕食会がロンドンで開かれ、英国のメイ首相は「イスラエル国家建設のための我々の先駆的な役割を誇りに思う」と述べた。パレスチナが求める謝罪は「絶対にない」と拒否する考えを示した。
夕食会には、イスラエルのネタニヤフ首相や、宣言を出した当時のバルフォア外相の親族らが参加。メイ氏は、宣言によって「類いまれな国家を誕生させた」として「歴史上最も重要な書簡の一つ」と評価した。イスラエルメディアによると、ネタニヤフ氏は「宣言とそれを記念することは英国を歴史の正しい側に置く」と応じた。
一方、メイ氏はこれに先立つネタニヤフ氏との会談で、イスラエルが占領地で拡大させる「違法入植地への重大な懸念」を表明。和平の障害を乗り越え、同国と将来の独立したパレスチナの「2国家共存」による解決を支持するとした。(ロンドン=渡辺丘)
(11月3日 朝日新聞)
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