台風21号の影響で票の集計が遅れていた、昨日の衆院選の最終結果が出ました。
| 政党名 | 選挙区 | 比例 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 自民党 | 218 | 66 | 284 |
| 公明党 | 8 | 21 | 29 |
| 希望の党 | 18 | 32 | 50 |
| 日本維新の会 | 3 | 8 | 11 |
| 立憲民主党 | 18 | 37 | 55 |
| 共産党 | 1 | 11 | 12 |
| 社民党 | 1 | 1 | 2 |
| 諸派・無所属 | 22 | 0 | 22 |
| 合計 | 289 | 176 | 465 |
直前予想と比べると、自民・立民ついでに社民はほぼ予想通りでしたが、「希望が意外に健闘」「維新が意外に比例で健闘」「公明・共産が予想以上に他党に票を喰われて縮小」って感じですね。特に希望は比例で30議席を超えると思ってなかったんで、正直不思議。
「自公321希望43立民53/465」2017衆院選最終盤予想な件について(2017/10/20)
2017衆院選最終盤予想・ブロック別その１（北海道・東北・北関東・南関東・東京ブロック）
2017衆院選最終盤予想・ブロック別その２（北陸信越・東海・近畿・中国・四国・九州ブロック）
政党名 選挙区予想 比例予想 合計 自民党 220 67 287 公明党 9 25 34 希望の党 17 26 43 日本維新の会 5 7 12 立憲民主党 17 36 53 共産党 1 14 15 社民党 1 1 2 諸派・無所属 19 0 19 合計 289 176 465
ブロック別で見ると、希望への逆風MAXな中、意地を見せて当選した民進党前職がチラチラいたのと、自民で親の七光りを使えずに落選した新人候補がポロポロいたのが、興味深かったですね。人間と選挙って本当に面白いです。
- 北海道ブロック
10/20時点予想
●小選挙区・定数12：自民5、公明1、立民6
●比例区・定数8：自民3、公明1、希望1、共産1、立民2
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数12：自民6、公明1、立民5
●比例区・定数8：自民3、公明1、希望1、立民3
5区の池田真紀はわずかに自民の和田義明に及びませんでしたが、1区の道下大樹、3区の荒井聰、6区の佐々木隆博、8区の逢坂誠二（無所属出馬）、11区の石川香織の立民勢は順当に当選。比例も、自民と並んで3議席を確保。もともと革新系の強い北海道ブロックですが、敵失に追い風が加わると、新興野党でも政権与党と五分五分の戦いができるということですね。
- 東北ブロック（青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島）
10/20時点予想
●小選挙区・定数23：自民16、希望2、無所属5
●比例区・定数13：自民5、公明2、希望2、共産1、立民3
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数23：自民18、希望1、無所属4
●比例区・定数13：自民5、公明1、希望3、共産1、立民3
福島4区で自民の菅家一郎から寄り切られた希望の小熊慎司、宮城2区で自民の秋葉賢也に競り負けた無所属の鎌田さゆりを除いて、小選挙区は予想通り。比例は公明がやらかしちゃいました。今回、「公明、あと一歩足らずに議席減」なブロックが多いです。
- 北関東ブロック（茨城・栃木・群馬・埼玉）
10/20時点予想
●小選挙区・定数32：自民29、立民1、無所属2
●比例区・定数19：自民8、公明3、希望3、共産1、立民4
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数32：自民28、希望1、立民1、無所属2
●比例区・定数19：自民7、公明2、希望4、共産1、立民5
北関東ブロックの希望候補は全滅かと思っていましたが、埼玉6区の古豪・大島敦が1議席をGET。流石は元民進党幹事長。比例も、自民と立民の二人勝ちに、半身を入れて4議席目を獲得した希望。僅かなりとも存在感を見せました。
- 南関東ブロック（千葉・神奈川・山梨）
10/20時点予想
●小選挙区・定数33：自民26、公明1、希望2、立民1、無所属3
●比例区・定数22：自民8、公明3、希望4、共産2、立民5
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数33：自民26、希望1、立民3、無所属3
●比例区・定数22：自民8、公明2、希望4、維新1、共産2、立民5
神奈川で4区の無所属の浅尾慶一郎と6区の公明の上田勇という実力者が立民候補に不覚を取り落選。浅尾は自民の山本朋広と票を喰い合った結果、立民の早稲田夕季が漁夫の利を獲得したと言えますが、上田の方は完全に力負け。自公の偉いサンたちは相当深刻にとらえるべきでしょう。比例では、公明1議席減＆維新1議席GETと、これもまた想定外な事態です。ちなみに、千葉1区の本命だった希望の田嶋要が自民の門山宏哲にかわされ、小選挙区で落選したのは、この暴言による自滅じゃないかと、結構真面目に考えています。
民進前職で希望候補の田嶋要曰く「できたばかりの希望を実際に運営するのは民進出身の中堅だ」。投票日前にこういう「希望の党の実権は民進出身者が乗っ取ります宣言」をするのって、利敵行為にならんのかな。 / “2017衆院選最終盤予想・…” https://t.co/WXxrKEQQsD
— wer y sagt (@kaguramay) 2017年10月21日
- 東京ブロック
10/20時点予想
●小選挙区・定数25：自民19、公明1、立民5
●比例区・定数17：自民7、公明2、希望2、共産1、立民5
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数25：自民19、公明1、希望1、立民4
●比例区・定数17：自民6、公明2、希望3、共産2、立民4
小池百合子代表のお膝元・東京ながら全滅の可能性があった希望ですが、21区の長島昭久が一矢報いて1議席GET。比例も3議席を獲得しました。一方の立民。期待していた6区の落合貴之が自民の越智隆雄に競り勝ちし、7区の長妻昭に加えて1区の海江田万里が当選したのはともかく、18区の菅直人。これで本当に良かったんですか？＞有権者の皆さん。ちなみに、2区の自民の辻清人は、希望の鳩山太郎に「貴方の人望と亡き父上の御威光が予想以上に大したことなくて助かりました！ありがとうございました！」とお礼を言っても許されると思います。比例は、自民と立民の草刈り場だった希望と維新と共産が、少しずつ盛り返したのは驚きです。
- 北陸信越ブロック（新潟・富山・石川・福井・長野）
10/20時点予想
●小選挙区・定数19：自民13、希望2、立民1、無所属3
●比例区・定数11：自民5、公明1、希望2、共産1、立民2
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数19：自民12、希望2、立民1、無所属4
●比例区・定数11：自民5、公明1、希望2、共産1、立民2
新潟3区、無所属の黒岩宇洋が自民の斎藤洋明に50票差で競り勝つ。北陸はこういう僅差な戦さが良くありますね。比例区は、希望と立民が獲得議席数も得票数もほぼ互角。東京ブロック共々、少々意外な展開ですね。
- 東海ブロック（岐阜・静岡・愛知・三重）
10/20時点時点
●小選挙区・定数32：自民22、希望6、立民2、無所属2
●比例区・定数21：自民8、公明3、希望4、共産2、立民4
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数32：自民21、希望5、立民2、無所属4
●比例区・定数21：自民8（7）、公明2、希望5、維新1、共産1、立民4（5）
愛知7区の山尾志桜里、三重2区の中川正春。有力無所属が下馬評をひっくり返しての勝利。比例は立民がまさかの比例名簿の候補不足。5議席獲得できたところを1議席自民に譲って4議席に。議席譲渡はたまにある事態ですが、新興政党である立民にとって、これはもったいないですね。
- 近畿ブロック（滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山）
10/20時点予想
●小選挙区・定数47：自民31、公明6、希望3、維新5、立民1、無所属1
●比例区・定数28：自民8、公明4、希望3、維新7、共産2、立民4
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数47：自民33、公明6、希望3、維新3、立民1、無所属1
●比例区・定数28：自民9、公明4、希望3、維新5、共産2、立民5
小選挙区と比例共に維新の退潮著しですね。特に比例。立民に5議席で並ばれるとは、希望との選挙協力とは何だったのか。
- 中国ブロック（鳥取・島根・岡山・広島・山口）
10/20時点予想
●小選挙区・定数20：自民19、希望1
●比例区・定数11：自民5、公明2、希望1、共産1、立民2
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数20：自民19、希望1
●比例区・定数11：自民5、公明2、希望2、立民2
全体的に予想通りですが、比例で希望が立民並みに票を集めて、共産が議席を失うとは想定外です。ちなみに岡山3区、自民の内ゲバ選挙を制したのは、「出戻り大物」平沼赳夫のボンボン・平沼正二郎ではなく、党副幹事長の阿部俊子。そりゃそうですよね。
- 四国ブロック（徳島・香川・愛媛・高知）
10/20時点予想
●小選挙区・定数11：自民10、希望1
●比例区・定数6：自民3、公明1、希望1、立民1
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数11：自民8、希望2、無所属1
●比例区・定数6：自民3、公明1、希望1、立民1
何か起こりそうだとは思っていましたが、自民の白石寛樹vs希望の白石洋一の愛媛3区と、自民の山本有二vs無所属の広田一の高知2区、共に波乱が起こるとは、海のリハクもビックリです。特に愛媛3区の自民の方の白石。勝率9割の弔い合戦で比例復活もかなわずの完敗とは情けない限り。
- 九州ブロック（福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄）
10/20時点予想
●小選挙区・定数35：自民30、共産1、社民1、無所属3
●比例区・定数20：自民7、公明3、希望3、共産2、社民1、立民4
↓
10/23時点結果
●小選挙区・定数35：自民28、希望2、共産1、立民1、社民1、無所属2
●比例区・定数20：自民7、公明3、希望4、維新1、共産1、社民1、立民3
小選挙区と比例共に、思っていたより適度に荒れた九州ブロック。長崎1区の希望の西岡秀子はともかく、佐賀2区の希望の大串博志、鹿児島1区の立民の川内博史、沖縄4区の自民の西銘恒三郎は難しいと思っていましたが、勝負事は最後の最後まで分からないモノです。とはいえ、鹿児島1区の自民の保岡宏武。闘病生活に入る親父殿のピンチヒッターで、準備不足だったとは言え、んー。ちょっと不甲斐ない。
ここで一つ、嫌な情報。50議席割れという恥ずかしい事態にならなかったので自信を少し取り戻したのか、元から厚顔無恥なだけなのか、それとも、希望の党の敗北理由を「自分の政治家としての不出来ゆえ」ではなく「自分が女性として男社会の政界で敵視されたゆえ」とすり替えてグローバル世論をミスリード、「自分の主張は世界のセレブから支持されました」という歪んだ既成事実作りやってから帰国しようと企んでいるのかは知りませんが、小池百合子＠希望の党代表が、東京都知事としての出張先・花の都パリでこんなことを口走っています。
パリを訪問している希望の党代表の小池百合子・東京都知事は２３日、キャロライン・ケネディ前駐日米大使と対談し、惨敗した衆院選について「都知事に当選して（女性の活躍を阻む）ガラスの天井を一つ破った。都議選でもパーフェクトな戦いをしてガラスの天井を破ったかなと思ったけど、今回の総選挙で鉄の天井があるということを改めて知った」と語った。
小池氏は温暖化対策などを話し合う国際会議でケネディ氏と対談し、女性活躍についての質問に答えた。
また、小池氏は街頭演説の際に女の子から「将来、政治家になりたい」という手紙をもらったと明かし、「若い世代が政治に主体性を持つことを感じてくれた。それだけでもキャンペーン（選挙戦）をやったことが正しかったかなと思う」と述べた。
(10月23日 朝日新聞)
「ちーがーうーだーろー！！」
この記事を目にした有権者の心に、このフレーズが鳴り響くことを切に願います。
(追記：この記事がリリースされ、ネット上で騒ぎになった少し後、「鉄の天井とは厳しい戦いであったという一つの表現。女性だからということを直接関係ない。いい試練で、多くを学ばせていただいているとポジティブに考えているby小池百合子」という記者団向け説明が追加されました。第一声で世界向けの自己正当化、第二声で国内向けの言い訳ですか。相変わらずですね）
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