中国の大都市圏で大気汚染が急速進行 ~ 中国国民の目前に迫る「第二の大躍進政策の悲劇」

目先の経済発展の目標数値ばかり追っかけて、現場の実態を無視していたら、数千万人の餓死者が発生という取り返しの付かない悲劇が待っていた「大躍進政策」。中国はあの頃と比べて、経済の図体は大きくなったが、北京政府の根っこのメンタリティは、全く変わってない。経済発展の名の下に、北京をはじめとする大都市が「死の街」化している現状を見ていると、改めてそう思う。そして犠牲になるのは、かつても今も、政府・共産党の威勢のいい掛け声に振り回された一般市民だ。心の底から同情するわ。

こうなると、隣国としては嫌でも嫌な歴史を思い出してしまう。共産党の有力者が、大躍進政策の失敗から国民の批判の目をそらすために、文化大革命という「更なる無茶」をやらかしたという歴史を。

北京で有害物質含む濃霧…不調訴える住民相次ぐ

【北京=牧野田亨】北京など中国の広範囲の都市で、健康被害をもたらす微粒子状物質(PM2・5)を含む濃霧が立ちこめ、不調を訴える住民や航空便の欠航などが相次いでいる。

中国紙によると、北京など33都市で12日、6段階の大気汚染指数で最悪の「深刻な汚染」状態となった。13日も各地で汚染状態が続いている。

北京では12日夜、PM2・5が1立方メートル当たり一時993マイクロ・グラムを記録、1日の平均でも大半の場所で400マイクロ・グラムを超えた。PM2・5の日本の環境基準値は1日平均35マイクロ・グラム以下。

病院には気管支系の不調を訴える人が多数訪れた。北京市は建設工事の停止や小中学校の屋外活動中止などの緊急対策を発表した。また、住民に外出を控えるよう呼びかけた。

(1月13日 読売新聞)

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