スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)を運営する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」が、昨年度の売り上げが149億円と過去最低を更新したにもかかわらず、今年度は前年度比で115億円増を見込んでいることがわかった。
販売業務などを直営にして経費削減につなげるとしているが、その実情は、必要な運営費が先にありきで、そこから売り上げを“逆算”するという、あまりに甘い収支見通しだ。
売り上げの低迷を解消することなく、強気の姿勢に、導入を推進したスポーツ議員連盟の中からも疑問の声があがっている。
totoは、販売開始初年度の2001年度こそ642億円を売り上げたが、その後、減少の一途をたどっている。これまで、くじの販売や払い戻し業務をりそな銀行に委託してきたが、今年度からは、これをセンター直営とし、約264億円の売り上げを見込んでいる。
その“根拠”としているのが、約120億円に上る運営費だ。内訳は、コンピューターシステム開発費など約40億円、広告宣伝・販売促進費の約31億円、公式サイト運営費など約27億円、販売手数料・印刷費約22億円。売り上げの半分は、当選者に払戻金として支払う必要があるため、約120億円の運営費を工面するには、約250億円程度の売り上げが必要になる、という計算だ。
センター側はさらに、〈1〉特約店4200店が半減しても、優良店ばかりだから2割増の100億円以上の売り上げを期待できる〈2〉コンビニエンスストアでも、会員以外も買えるようになり、売り上げが4倍の100億円近くになる〈3〉インターネットも会員数が増え、数十億円になる――とし、総額約264億円の売上額をはじき出した。
しかし、過去の販売実績からすると、実現困難な数字ばかり。また、りそな銀行に対し、初期投資と委託費の債務が計約224億円残っており、センター側は「協議を続けており、(債務返済は)まだ決まっていない」としている。
スポーツ議員連盟のメンバーの奥村展三衆院議員(民主党)は、「(売り上げ見通しは)数字合わせに過ぎない。借金を棚に上げ、本末転倒。文部科学省がバックについているという親方日の丸的なやり方にスポーツ議連の議員も怒っており、採算の見通しが立たないなら廃止すべきだ」と憤る。
これに対し、同センターを所管する文科省の小山大輔・スポーツ振興投票専門官は、「実際の売り上げと開きはあるが、運営費を出すための必要最低限の金額。センターには経費を節減し、売り上げを伸ばしてもらうしかない」と話している。
(読売新聞) – 4月17日
コストから逆算して妥当性の低い売り上げ目標ぶち上げて、そのくせ自分達は左団扇堅持って…。もしこんな事業計画出してきた企業がいたら噴飯物ですが、お役人思考ではアリですか(ふーん)。
賭け事は参加者に継続性を持たせるための適度な還元率と難度設定(≒アメとムチ)が必要なのにその逆を行って初期の客を逃がすわ、「じゃあ当たりやすくすればいいんだろ」と分析の醍醐味の欠片もない簡易版作ってコストだけ上げるわと、やっぱtoto関係者ってズレてるよなあ。そもそも控除率50%って段階で賭け事的にアレですが。
タイミングよろしく、りそな銀行とはトラブってるし、もうこれは一度現体制を解散しないとダメかもしれませんね。
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