敵対勢力による撃墜か。爆弾テロによる墜落か。単なる事故による墜落か。ソチを飛び立った直後のアクシデントによる海没か。それとも、中東において人質にする宣伝価値の高い「アレクサンドロフ・アンサンブル」を対象にした拉致工作か。現時点でそれは分らない。
今回のアレクサンドロフ・アンサンブルのシリア入りが、今年5月にパルミラで行ったマリインスキー劇場管弦楽団コンサートの、アレッポでの再現を狙ったプーチンの指示であることは想像に難くない。アレッポは奪還したもののパルミラがISに再占拠されている現状において、5月以上に重要なパフォーマンスプランであったことに疑う余地はない。
故に、そのプーチン肝入りのコンサートが何者かの手によって妨害されたのであれば、ロシア上層部が受ける衝撃は計り知れない。逆に言えば、本当に何者かによって妨害されたのであれば、これ以上ロシア軍によるシリア本格介入の口実は無い。
「さて、やりますか」
事態の真相はどうあれ、遠からずプーチンは軍楽団一つと引き換えに、シリアの実権を手に入れることになるだろう。毎度のことながら買い物上手な皇帝陛下だよ。
25日朝、ロシア南部ソチを飛び立ち、シリアに向かっていたロシア軍所属のTu154型旅客機が約20分後にレーダーから消え、消息を絶った。タス通信などが伝えた。同機には乗員・乗客91人が乗っていたという。ロシア軍所属の楽団「アレクサンドロフ・アンサンブル」のメンバーとジャーナリストが搭乗していたとみられる。(モスクワ=駒木明義)。
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