3年前の笹子トンネルでの事故や、昨日の中日本高速道路の有罪判決とを、本件と結び付けて報道したい気持ちは分らんでもないが、
工事は来年3月までの予定で、夜間、通行止めにして行われ、天井の古いモルタルを削って新たに吹きつけ、今後、コンクリートの板で補強する予定だったということです。今回、剥がれ落ちたのは新たにモルタルを吹きつけた部分で、県がトンネル付近を通行止めにして原因を詳しく調べています。
これ、ただの施工不良だろ。補修工事やろうず!のきっかけは笹子トンネル事故だとしても、事故原因そのものは違う。古いモルタルが支えていた力が、新しく吹き付けられたモルタルにかかれば、よほど付着強度に留意した工事でもやらない限り、剥がれて当然。万一、トンネル周辺の地盤の水分吸って劣化しているモルタルを半端に削った上に、新しくモルタル吹き付けるなんてことやっていたんだとしたら、落ちてくれと言っているようなもんだよ。そもそも、
「モルタルの吹き付け工事って、強度向上という点では何の意味も無いからね」
見た目だけだからね。おおかた、後でコンクリ板で押さえるから別にいいよね?と気楽に考えていたんだろうが、せめて工事中は鉄板で押さえる工夫しとけよと。PCL工法を使うカネが無いなら無いで。
最近の土木屋さんはこの程度のことも分らないのか。それともこの程度のことも出来ないくらい、低コストでの仕事を強制されているのか。どっちにしても怖いわー。深刻だわー。
3年前の山梨県の笹子トンネルの事故を受けて天井の補修工事を進めていた千葉県君津市の国道のトンネルで23日、天井を覆っていた長さ20メートル、重さ23トン余りのモルタルが剥がれ落ちました。当時、通行していた車は無く、けが人はいないということで、県が原因を詳しく調べています。
千葉県によりますと、23日午前8時すぎ、千葉県君津市広岡の国道410号線のトンネル「松丘隧道」で、天井や壁を覆っていたモルタルが長さおよそ20メートル、幅5メートルほどにわたって剥がれ落ちました。剥がれ落ちたモルタルの重さは23.5トンに上るということです。
このトンネルは全長が91メートル、道幅はおよそ6メートルで、当時は工事のため交互通行になっていましたが、通行していた車は無く、けが人はいませんでした。
3年前に山梨県の中央自動車道の笹子トンネルで起きた天井板の崩落事故を受けて点検したところ、天井や壁を覆うモルタルの老朽化が明らかになり、去年から県が補修工事を進めていたということです。工事は来年3月までの予定で、夜間、通行止めにして行われ、天井の古いモルタルを削って新たに吹きつけ、今後、コンクリートの板で補強する予定だったということです。今回、剥がれ落ちたのは新たにモルタルを吹きつけた部分で、県がトンネル付近を通行止めにして原因を詳しく調べています。
トンネルの近くに住む女性は「朝8時ごろ、家事をしていたらドーンという大きな音が聞こえた。そのときは何が起きたのか分からなかったが、天井が落ちたと聞いて不安です」と話していました。
松丘隧道とは
千葉県によりますと、モルタルが落下した「松丘隧道」は、およそ60年前の昭和29年に開通し、おととしの点検で老朽化が明らかになってから、今回、初めて補修工事が行われていたということです。
千葉県内にはモルタルを吹きつけた同じ作りのトンネルがほかに21か所あり、このうち、おととしには、同じ君津市内の「大戸見隧道」で天井から4トン近いモルタルが落下したほか、5年前には、隣の大多喜町の「筒森隧道」で天井の一部が崩れ落ちたということです。
現在、千葉県では、今回の現場を含め、老朽化が確認された3か所のトンネルで補修工事を進めています。
(12月23日 NHK)
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