【スンニ派とシーア派の潰しあい】ロシアがマリキ政権@イラクを支持、イランとの関係も強化へ【シリアのアサドはどっち派とも関係イマイチなアラウィー派】

 「11年前のイラク戦争に関するリベンジ」「ウクライナ問題の場外反撃」「イラン経由での欧米への影響力強化」etc…。記事にあるこれらの効果に加えて、中東のイスラム主要宗派を手玉に取ることでシリア・アサド政権への程よい援護射撃にもなる、今回のロシアの外交戦略。一石何鳥か分からんな。

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 相変わらず、火事場を舞台にした駆け引きでは当代随一だね。皇帝陛下ってば。

イラク情勢 ロシアがマリキ政権支持 イランに同調、中東での影響力拡大狙う

 【モスクワ=遠藤良介】ロシアのプーチン大統領は21日までにイラクのマリキ首相と電話会談し、イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」の攻勢にさらされている同国政権をあらゆる形で支援すると述べた。米国が、イラク問題でマリキ政権の支援姿勢を強めるシーア派大国イランの協力を仰ぐ可能性も視野に入れ、ロシアは友好関係にあるイランに同調して中東地域での影響力拡大を図りたい考えだ。

 プーチン政権は、イランやシリアのアサド政権との関係堅持を中東政策の基軸とし、米国に対抗してきた。イラクでシーア派主導の政権が存続することは域内でのイランの「勢力圏」保持に不可欠であり、ISILはシリア内戦で反体制側に加わってもいる。

 露大統領府によると、プーチン氏は電話会談で「テロリストからの国土解放に関し、イラク政府の努力を全面的に支持する」とマリキ氏に伝えた。

 米国主体の有志国は2003年、ロシアなどの反対を押し切って対イラク開戦に踏みきり、プーチン政権に強い屈辱感を与えた。ラブロフ露外相はISILの攻勢について、「米英による投機的行動の完全な破綻を示している」と述べ、イラクの現状が軍事介入の帰結であると批判した。

 ロシアはウクライナ情勢をめぐって米欧から追加制裁を科される可能性に直面しており、イラク問題をさまざまな形で対米けん制の材料とする公算が大きい。

 核開発問題で米欧との協議を続けるイランと、イラク情勢正常化を目指す米国が接近するとの観測もロシアでは強い。米国がイランの協力を本格的に仰ぐ展開となれば、ロシアの対米発言力も強まることが期待されている。プーチン政権はその半面、米欧が対イラン制裁を緩和し、石油・天然ガスの調達先をロシアからイランに切り替える事態を警戒してもいる。イランをめぐる米欧とロシアの駆け引きは強まりそうだ。

(6月21日 産経新聞)

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