改正国籍法が成立

このテーマに関しては脊髄反射で噛み付いてくる人がそこここに跋扈しているようなので、予め申し上げます。神楽は国籍法改正賛成派です。その上で今回の国籍法改正案に反対しているのは、「今回の」改正案の穴の存在と、その穴を塞ぐ作業を軽んじている立法府・国会の在り様に対して違和感を禁じえないからです。

次に、何に違和感を感じているのか。そもそも、救済対象が「救済すべき本物の弱者」なら、父子の血縁関係検査は「DNA鑑定を含むより厳格なシステム」をベースにしたもので何の問題も無い。仮に経済的負担が発生するとしても、DNA鑑定費などの追加コストは国費で負担すればいい。なのに、今回の改正審議では「差別助長」の一言でそのシステムの厳格化自体が忌避された。何故?。その他にも法制度的な穴は複数見えているのに、民法マターでの対応余地の議論も無く(例:DNA鑑定)、写真や渡航履歴確認程度の見切り発車的な付帯決議で茶を濁された。何故?。

「審査対象者にDNA検査を義務化するなら日本人全員にもDNA検査を施さねば差別だ」「偽装認知や偽装結婚なんて今もある。今回の改正で偽装が増えるわけは無い」「そんなに大騒ぎすることか?」とのたまっている方々もおられますが、本件の問題はそのような点にはありません。法改正の審議プロセスの歪さ、特に「ある目的を持った層」による悪用が心配される制度上の穴を指摘されているにもかかわらず、抜本的な対策が打たれることなくスルーして今日に至ったという点にこそあります。「今回のザル法により違法国籍取得者が増える!」と危惧している改正案反対派の方も、現時点では未だ根拠に乏しい仮説や想像を膨らませるより先に、その危険性を持つ法案が、選良の絶対多数の支持のもと、簡単に通過してしまったという「事実」にこそ危機意識を持って頂きたい。

上は国会議員の大半から下は国民の一部層まで、人権擁護や差別問題撤廃を大声で叫ぶ一方で、(怠惰故か恣意的故かは分かりませんが)法改正によって想定されるリスク回避のためへの最善を尽くさず、拙速に審議を進めるその姿勢には、正直疑惑の念を禁じえません。ですから敢えて神楽は言いたい。「今回の改正法案」は売国法案だと。少なくとも、現在の日本国民の権利の保護を意識したものでは無いと。12/13を意識してかどうか知らないが、そんな法案を与野党が手に手を取り合って通過させた姿に絶望したと。

とは言え、コトが決してしまった以上、当面の課題は、認知対象の年齢制限の無い今後3年間でどんな状況変化が起こるのかの見極めですね。本当の弱者さんだけが新・日本人になってくれるのならいいのですが…いや、そうなってくれるように、特に○○連中の動向については監視を続けなくてはいけません。既に手遅れかもしれませんけど、今後も監視&騒ぎ続けることで一定の抑止効果にはなる…かな?(^^;。

偽装防止のために「できる限り」「力を入れる」「努力する」という現状の法務省のスタンスも不十分であると、ここで改めて指摘したいですね。強制力の弱い付帯決議では無く、最低でもDNA鑑定義務付けを関連法に明記するよう、早期の法改正が行われることを望みます(導入へのハードルが高いのは承知の上で)。

最後に再びそもそも論。もし私が当事者なら、ザル法の下で灰色認定され続けるよりも、厳格な審査をクリアして「真っ白な新・日本人」認定される方が千倍嬉しいです。実際の当事者の方々はどうなんでしょうね?。

 未婚の日本人の父と外国人の母との間に生まれた子の国籍取得要件から両親の結婚を外し、父親が認知すれば国籍が取れるようにする改正国籍法が5日午前の参院本会議で、自民、公明両党と民主党などの賛成多数で可決、成立した。国民新党、新党日本などは国籍取得の際のDNA鑑定導入を主張し、反対した。改正国籍法は公布から20日以内に施行される。

最高裁が今年6月、現行法の「婚姻要件」を違憲と判断したことを受けての改正。不正な国籍取得を防止するため、虚偽の届け出をした者に1年以下の懲役か20万円以下の罰金を科す規定を新設した。ただ、罰則規定だけでは、金銭を日本人男性に支払い、虚偽の認知をしてもらう「偽装認知」が横行しかねないとして、与野党の一部議員から慎重意見が出ていた。

このため自民、民主両党は、参院法務委員会で(1)国籍取得届け出状況を半年ごとに国会に報告(2)父子関係の科学的な確認方法を導入する当否を検討-などを盛り込んだ付帯決議を採択した。ただ、付帯決議では不十分だとする声も根強く、国民新党の自見庄三郎副代表は、参院本会議後、「偽装認知を防ぐためDNA鑑定導入を法文に明記すべきだ」と語った。新党日本の田中康夫代表は「生命倫理の問題だ。(反対は)民主党の小沢一郎代表も理解している」と述べた。

(12月5日 産経新聞)

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