人は見たいものしか見えない。聞きたいことしか聞こえない。

 green_tea_123さんという方の「御茶にゅーす」というブログで拝読させて頂いた北國新聞の社説に、興味を惹かれる箇所がありました。曰く

「テレビメディアは、堀江社長に利用されていることを十分知ったうえで、公共の電波に乗せ続けてきたのである。視聴率のためにあえて反社会的な側面に目をつぶってきたと言われても仕方あるまい」

「ライブドアの株主は、このところ急激に増えた若い個人投資家が多いと言われる。堀江社長をあたかも特別な才能を持つカリスマ経営者のように思っていたとすれば、それは投資経験のみならず、人生経験の不足もあったのかもしれない」

(詳細は先様の記事をご参照下さい)

 神楽はこちらの新聞社のことをよく存じ上げないので、主張の背景に何か別の意図があるかどうかはわかりませんが、一般論として色々と感じ入りました。と言いますか、メディアの立場でよくここまで言及してくれたなと。

 メディアを「視聴率」という生臭いタームで断罪するのはぶっちゃけ心地いいですね。実際それが目的なんでしょうから。事ごとにホリエモンを持ち上げけてきたのも、今のように堀江容疑者をさらし者にして社会的リンチにかける報道を続けているのも。ライブドアあるいは堀江容疑者を支持する若い世代を「人生経験が足りない」と断定するのも、かなり暴論ですが事実の一面を突いていると思います。

 今もライブドアを支持している層の中には、業界後発ながら事業を拡大し旧来の体制に喧嘩を売り続けていた同社を支持するのと同時に、未だ違法・有罪という結論が出ていない中でライブドアを糾弾するメディアや世論を非難している人がいます。双方とも各論としては正しいのでしょうが、今回のケース下でその双方を主張するスタンスを彼らが取るのはいかがなものでしょう。

 判断材料はメディアから流れてくる断片的な報道やパフォーマンス、そして自画自賛なライブドア関連書籍だけ。経営実態や手法のかなりの部分が未だブラックボックスの中にあるのに、それでもライブドアを支持する。一方で、同じように表層的かつ軽薄な情報のパーツの垂れ流しを続ける今のメディアは非難する。このスタンスは、省みて矛盾しているのではないかと。スクラム報道とそれに踊らされる層とあなた方はどこが違うのかと。

 神楽は、ライブドアの企業や営業権の買収手法の傍若無人さと、買収した後それらの企業の価値を高める施策を全くと言っていいほど打たない(≒短期的な利益確定以外では証券市場への撒き餌でしかない)無責任さを目の当たりにして以来、同社に好意的ではありません。オン・ザ・エッジの頃からの分割による株価の吊上げと、社内ゴタを収拾できない挙句従業員や顧客を手土産程度にしか思わずにライブドアに身売りした一部オーナー経営者、そんな実情はどうでもいいから株価さえ上がれば良いと尻馬に乗るばかりの軽薄な投資家、そして後ろからたまに顔をのぞかせる某組織との関係を目の当たりにして以来、同社の関係者に好意的ではありません。

 もちろんその評価を下すにあたり、例えばポータルサイトの運営などそれなりに実のある事業やそこでがんばっている社員の存在は考慮外です。その点で神楽の姿勢は公平でないことは重々承知しています。それでも神楽はライブドアを批判します。ITはじめ新成長産業の育成なり、現況下での新興ベンチャーの成長サポートの重要性なり、証券市場や旧体制の変革の必要性なりを認識しているが故に、ライブドアの経営姿勢を否定します。今回の証取法違反そのものとは別個に。

 2ちゃんねるの管理人氏は過日、「嘘を嘘と見抜けない人には(掲示板を使うのは)難しい」と言いました。「嘘を嘘と見抜けること」、それは情報に接する人間全てが問われる資質でしょう。ただ、与えられた情報の真偽をジャッジすることはそんなに困難なことではありませんし、最終的にそれは重要ですらありません。重要なのは、批判であれ応援であれ、情報に対する判断の「責任」と「結果」を負うのは自分自身であるという認識と覚悟を持ち続けるということだと思います。

 以上、自戒の意を込めながら。てんてん。

2 件のコメント

  • こんにちは。コメント&TBありがとうございました。よく2ちゃんねるでは書き込む前に「半年ROMってろ」と言われいたと思いますが、これも嘘を嘘と見抜けるためには多少の経験は必要ということなのでしょうか。私もこうした情報に関心を持つようになったのは最近でライブドアについてはまったく見抜くことができていませんでした。そういう意味で北國新聞の主張は個人的に頭が痛いところでありましたが、これから自分なりに情報との接し方について経験を積んでいくしかと考えております。ではでは。

  • こんにちは。良き記事に巡り合わせていただき、また的確なコメントありがとうございます。ようやく読売など一部メディアで自己批判めいた記事が出始めては居ますが、それでも過日の無責任な情報垂れ流しに対する自らの責任については口をぬぐうメディアの方が多数派に感じます。朝日に至っては厚顔にも自らの責任について頬かむりをしたまま、軽率な質問をして麻生外相に返り討ちに遭うみっともなさ。

    従前からもそうでしたが、今回の一連のライブドア騒動で、自らの報道姿勢に責任を持たないメディアには断片的なソース以上のものを期待してはいけないと痛感しました。その穴特に判断の指針に関して欠けたパーツを埋めるものが、個人の判断力なのかブログのような次の情報共有システムなのかは分かりませんが、いずれにしても私達は情報の奔流の中で自らが責任を負う情報抽出・判断機能を構築しないといけないのでしょう。それでは今後ともよろしくお願いします。

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