ACTA自体について神楽はあまり問題視していない件について

 条文読めばわかるけど、コレの批准によって国内関連法制度が改悪(≒ポリシーロンダリング)されて、個人ユーザーが不利益を被ることってほとんどないよ。少なくとも、プロバイダ監視も含めて現状より厳しくなることはない。著作権侵害罪の非親告罪化の可能性も、現状においては低いしね。もともと違法コンテンツを楽しんでいる人にとっての影響はあるけど、それはぶっちゃけ「そっちが悪い」。

 欧州での狂騒をはじめ、ACTAを巡る一連の世界的な騒動に関しては、この条約の中身そのものというよりも、この条約を巡る動きがほとんど国民に知らされず事ここに至っているという、「参加国の挙動のいやらしさ」の方が問題視されていることを、日本国民はちゃんと認識すべきだと考えます。国がコソコソした挙動を取った理由がどこにあるにせよ、「お前ら何コソコソしてんだ?もしACTAに紐付けて下らん工作しようとしたら許さねえぞ。アン?」とツッコミ続けることこそが大事。現行のACTA批准案そのものについて被害妄想をかき立てるよりは、よっぽどそっちの方が有効だってばよ。

 

 加えて、今回の衆議院外務委員会での採決で問題なのは、いかにも「ACTA提唱国としての面子のため」「黒幕・米国への忠誠心の発露のため」とばかりに、ゴリ押し採決をやらかしたという点。コソコソ経由強行採決じゃ、国民の信を得られる訳ないだろうに。この国の政治家は本当に悪いところばかり、前例を踏襲し続けるなあ。

衆議院外務委員会が「ACTA」承認、ネット規制強化は「誤解」と繰り返し否定

 衆議院外務委員会は31日、「偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)」を承認した。すでに参議院では可決しており、衆議院本会議で可決されれば批准となる。

 同日行われた委員会の審議では、ACTAを根拠にインターネット規制が強化される恐れがあるとの指摘について、玄葉光一郎外務大臣、山根隆治外務副大臣、外務省の八木毅経済局長が繰り返し否定。ユーザーがインターネットサービスプロバイダーによって監視されたり、インターネット上の表現の自由など基本的人権が脅かされるのではないか、あるいは税関で個人がPCの中身を(海賊版コンテンツが含まれていないかなど)チェックされるのではないかといった懸念は「誤解」だとした。また、玄葉大臣は、日本では「本協定を締結するために、これ以上の国内法令の改正を行う必要は全くない」と明言した。

 野田首相の問責決議で国会審議が空転する中、外務委員会は29日に行われた前回に引き通き、野党委員が欠席したままで開かれ、与党委員だけでの採決だった。

(以下省略)

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120831_556512.html

(8月31日 INTERNET Watch)

 ACTAは、特アや新興国関連に限らず、知的財産に対する行儀の悪い連中に投網をかけるには、それなりに有効。国内法改悪も今のところありえない。だから神楽はACTA自体は問題視していません。問題視しているのは、「ACTA問題を問題視させている」国と「それに振り回されている」一部国民の存在です。この両者の歪さが矯正されない限り、「第二、第三のACTA騒動」は起きるでしょう。いつものように。これまでのように。

 恐れるな。ネット住民。漠然とした危険性に怯えるな。同胞よ。漠然とした恐れと混乱こそが、自分たちの行動を中途半端に終わらせる手かせ足かせになることを自覚せよ。喧嘩は粛々と、冷静に、相手への敬意を以って、最適の手法と主張を用いて、そして徹底的に、だ。

 ここで「初音ミク5th Anniversary Medley「あにみく!」」を紹介。


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ミクというコンテンツをグローバルな存在にしたのは、他でもない。ネット世界のリベラルさだということを、世界の誰しもが知っている。我々ネットの住人にとって、その事実は何よりも勝る強みだ。

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