<拉致事件>日本の被害者家族に困惑広がる 金英男さん確認

 拉致被害者の横田めぐみさんの夫の可能性が高まった韓国人拉致被害者の金英男さんの存在を北朝鮮は8日、初めて認め、母親と再会させると発表した。「めぐみさん死亡」をアピールすることが狙いなのか。こう着状態の拉致問題への思惑が見え隠れする北朝鮮側の姿勢に対し、拉致被害者家族に困惑が広がった。

 日本側のDNA鑑定で今年4月に英男さんがめぐみさんの夫の可能性が高まって以来、母崔桂月(チェゲウォル)さん(78)は「息子に会うため訪朝したい」と訴えてきた。これに対し、日本の家族会などは「北朝鮮で会っても本人が本当の気持ちを言えない。拉致問題の解決にならず、誘いがあっても行くべきではない」としてきた。

 めぐみさんの父滋さん(73)は「本人が『幸せに暮らしている』と(北朝鮮から)言わされるので、訪朝に慎重であってほしいと思っていた。しかし、行くと決断したなら見守るしかない。仮に英男さんらが、めぐみが死亡したと言っても、明確な証拠が示されない限り、状況は変わらない」と話した。

 家族会の増元照明事務局長(50)は「拉致問題をうやむやにしようとする北朝鮮側に、桂月さんらが利用されてしまった。今回の動きは、日米の厳しい対応に北朝鮮も動かざるを得なくなった表れだ」と語る。支援団体・救う会の西岡力副会長は「(桂月さんらの訪朝で)英男さんが韓国に帰国する可能性は低くなった。北朝鮮は日韓家族の連携を乱そうとしている」と指摘する。【工藤哲】

(毎日新聞) – 6月8日

 崔桂月刀自はじめ韓国側の行動を「浅慮」「短絡的」の一言で片付けるのは簡単ですが、息子が生きていると聞きかつ会わせてやろうと言われたら、「会いたい」という感情が沸くのは人の親として致し方ないこと。まして、最近の日韓関係だけでなく、韓国の拉致被害者家族が日本の救う会(というか西岡副会長)に不信感を抱いているとなれば、彼らの本音はどうあれ、日本側との同調を期待するのは無理というものでしょう。

 そもそも、日本側拉致被害者と違って韓国側拉致被害者には、仮に南北統一となれば将来的に帰国の目が出てくる。根本的なところで北朝鮮への立ち位置が違う者同士なのに、同調「できるはず」と考えたのが間違いだったのでしょう。

 それにしても、北朝鮮は本当にしたたかだなあ。韓国側に「日本の指導よりは北朝鮮の誘いにこそ乗るべき」という空気があるとは言え、こうも効果的に楔を打ち込んでくるとは。それも、韓国側に「南北統一のメリット」という火種を送り込むのと共に。日本の外務省に北朝鮮外務省の10分の1もこの交渉センスがあったら…と、結構マジに考えちゃいます。

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