米国、「財政の崖」転落ギリギリ回避 ~ とはいえ、本質的には時間稼ぎに過ぎない。米国政界に求められるスキルが、壁歩きから綱渡りに変わっただけだ

 今回の決定の余慶を蒙って、円ードルも87円台をつけているけど、これ自体は一過性のものだ。日本自身が主体的に金融緩和の拡大とインタゲの推進を行うべきなのは、言うまでも無い。

米「財政の崖」回避策、議会が法案可決、成立へ

 【ワシントン=柿内公輔】米議会の上院と下院は1日、年明けからの緊縮財政で米景気が悪化する「財政の崖」の回避に向けた法案をそれぞれ賛成多数で可決した。年収45万ドル(約3900万円)未満の層の減税維持などが柱で、オバマ大統領の署名を経て同日中にも成立する。懸念された「崖からの転落」に伴う混乱は回避される見通しとなった。

 昨年末が期限だった所得税などの減税措置はいったん失効したが、今回可決された法案で失効が解除されるため、景気への大きな影響は避けられそうだ。

 法案は、焦点だった減税維持の対象について一部富裕層を含む中間層以下とするほか、失業保険給付を1年延長。遺産税(日本の相続税に相当)の税率も据え置かれる。2日に発動予定だった国防費などの強制歳出削減を2カ月延期することも盛り込まれた。

 一方で、財政赤字削減に向けた歳出削減など財政健全化策は先送りされた。オバマ大統領は12月31日の演説で、「中間層を増税から守ることが最優先だ」と強調し、財政再建策については段階的に対応すべきとの考えを示していた。

 法案は上院の与野党指導部が合意して取りまとめ、1日未明にまず上院で可決。送付された下院では多数派の野党共和党内に「歳出削減が不十分」との反対論が出て、法案修正の動きもみられたが、結局上院の原案のまま採決された。

(1月2日 産経新聞)

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