この事件の本質は、大量殺傷能力を持つ銃の所有が簡単という米国の法規制の緩さにではなく、大量殺人やった後、自殺して果てるという末路を選ぶ、「人生の最後に大きなことをやって散ってやる」という歪な自己顕示欲や破滅願望と、恒常的な無力感やコンプレックスとを併せ持つ危険人物が、米国にゴロゴロいる点にある。
ここからは推測だが、多分、「危険人物ゴロゴロ」という点では、日本も対して変わらないんじゃないだろうか。刃物や車を使って大量殺人する馬鹿や通り魔は、枚挙にいとまが無い。たまたま彼らの殺傷人数が数人単位で収まっているのは、あるいは大量殺人犯「候補」が表に出ないのは、銃という大量殺傷機器が市中に出回っていないからに過ぎない。
そう考えれば、今回の様な事件を未然かつ根源的に防ぐため、根絶なり隔離なり監視なり、そして保護なりすべきなのは、危険な道具ではなく、危険な人間そのものであろう。「人は誰でも犯罪者になりうる」という真理からすると暴論ではあろうが、犯罪者候補が犯罪を犯すまで社会から隔離や「特別な保護」をできない現在の法の下では、今回の様な事件は止められない。
バージニア工科大学で32人を殺した韓国人・趙承熙や、コロンバイン高校で13人を殺したEric HarrisやDylan Kleboldに対して、周囲が「コンプレックスやフラストレーションの塊やいじめられっ子」「攻撃性や社会的閉鎖性を有する精神病患者」と認識しながら、彼らが暴発し、歪な達成感のもとで自殺するまで止められなかったように、今回の犯人・Adam Lanzaの暴挙も、社会は止めることはできなかった。これから彼の過去や正体について検証が進められるのだろうが、それにどれだけの意味があるだろう。
どこぞの団体の言葉じゃないが、「人が人を殺すのだ」。法の下、危険人物の権利が守られている現状で、一般社会が危険な彼らを「一方的かつ特別に保護」するという環境が整わない限り、同じ事件はまた起こる。そしてそんな酔狂な環境が整うはずは無い。米コネティカット州の銃乱射事件は何故起きたのか？。既に、犯人のパーソナリティの異常さについての情報がネットに流れている。いずれFBIなり社会学者が公式発表という「答え」も出すだろう。だが、それは全て無駄なことだ。
米乱射事件 死者２６人に、２０歳容疑者自殺か ０７年以来の惨事に
【ニュータウン（米東部コネティカット州）＝黒沢潤】米東部コネティカット州ニュータウンのサンディフック小学校で１４日朝（日本時間同日深夜）に発生した銃乱射事件で、地元警察などによると、犠牲者は子供や教師ら計２６人にのぼった。銃を乱射した男は現場近くで死亡しているのが見つかった。米国では今年、乱射事件が相次いでおり、銃規制をめぐる議論が今後、再び活発化しそうだ。
米メディアによると、男はアダム・ランザ容疑者（２０）。４丁の銃を持ち、防弾チョッキ、マスク姿で２つの教室に現れ、銃を乱射した。１００発近く撃ったという。
死亡が確認されたのは子供２０人と、校長など教師ら大人６人。容疑者はその後、銃で自殺したとみられる。犯行の動機は明らかになっていない。
ランザ容疑者の兄弟も事情聴取を受けているほか、恋人らが行方不明となっているという。
サンディフック小には５～１０歳の子供が通学する。ニューヨークの日本総領事館によると、日本人の母親を持つ３家族５人の子供が同校に通っているが、全員が無事だった。
一方、現場近くの容疑者宅で、容疑者の母親が死亡しているのが見つかった。母親はこの小学校の教師を務めていた。米メディアは当初、母親のいる教室を容疑者が襲撃したと伝えていた。捜査当局は、母親が死亡した背景を調べている。
米国の銃乱射事件としては、２００７年４月にバージニア工科大学で３２人が犠牲になって以来の惨事となった。１９９９年にはコロラド州コロンバイン高校で１３人が死亡した。
今年７月にも、同州デンバー郊外の映画館で１２人が犠牲になるなど、銃乱射による悲劇が相次いでいる。
【用語解説】ニュータウン
米国で最も豊かな人々の住む州の一つである東部コネティカット州の西部にある町。ニューヨークの北東約１３０キロに位置し、面積は東京・山手線の内側の約２・４倍に相当する約１５０平方キロ。人口約２万７千人（２０１０年）で白人が大半を占める。地方自治では、ニューイングランド地方で行われてきた直接民主主義の伝統が根付く。複数の公立小学校があり、乱射事件の現場となったサンディフック小もその一つ。
(12月15日 産経新聞）
それはそれとして、いたいけな子供が虐殺されるのは、聞いていて単純に辛いな。心が痛む。
ここで「初音ミクが人間みたくしゃべって歌う曲です！『アイドルを咲かせ』PV付」を紹介。
まさに魂実装済み。
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