これも一種の「STAND ALONE COMPLEX」だったりして

EMOTION the Best 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man [DVD]

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 「孤立した個人(スタンドアローン)でありながらも全体として集団的な行動(コンプレックス)をとった結果」と言うにはサンプル数が少ないし、「攻殻機動隊」の世界のように、情報ネットワークを介した高度な思想や知識の共同/集合体が形成されているわけではないけどさ。

 ただ、長崎の中国総領事館に発煙筒を投げ込んだ奴も、刃物を持って首相官邸の周りをうろついていた奴も、自称●●ってのは置いといて、普段はただのアルバイト兄ちゃんだったり無職兄ちゃんだったわけで、日頃から思想・政治活動に耽っていた「職業:正義の味方」ではないらしい。それが今回の尖閣事件を機に、思想家兼活動家に早変わりした。これまでも、死んだアイドルへの後追い自殺から安保闘争に至るまで、強烈な動機の発生をきっかけにレミング的な集団行動を取る連中の事例はあったけど、今回お縄になった二人のクラスチェンジっぷりは、それらの先達とはちょっと異なる臭いがする。

 ぶっちゃけ、彼らの行動は非常に「軽い」。社会的に不遇な自分に絶望して一世一代の注目を浴びるために大事件をやらかした秋葉原事件の加藤らと、今回の二人は根本的に違う。やらかした内容から見ても、彼らは加藤ほど自暴自棄でもないしね。かといって、ただの愉快犯や加藤の様な自己顕示欲の暴走野郎とも違う。だって、彼らは現場で目立つためのパフォーマンスを何もしていない。

 もし彼らが「自分たちの行動に対して共感してくれる誰かを具体的に知っているわけではない」「しかし、ネット上/世論の多くがこの行動を支持してくれるような発言をしている」「故に自分が今回採った行動は誰かが支持してくれるだろう」「故に自分は正しい。仲間も大勢いる」と脳内完結した結論を以って、今回の愚行に及んだのだとしたら、ちょっとおっかないかも。もしそうだとしたら、「●番目の笑い男」「■番目の個別主義者」ならぬ「△番目の愛国者の一員」がこれからもポロポロ出てきたりするかもね。過去に思想活動などの形跡を残していないため、公安のマークから外れている「新種のテロリスト」たちがポロポロと。

 「S.A.C. 2nd GIG」の合田が実在していたら、今の状況をどのように活用するかなあ。ちょっと興味を惹かれるところかも。

<軽犯罪法違反>長崎の中国総領事館に発煙筒 容疑で男逮捕

 26日午前9時25分ごろ、長崎市橋口町の在長崎中国総領事館敷地内に発煙筒1本が投げ込まれた。現場で警戒中の警官が見つけ、近くにいた男を軽犯罪法違反の疑いで現行犯逮捕した。けが人などの被害はなかった。

 長崎県警公安課によると、男は同県佐世保市田の浦町、アルバイト、谷川和紀容疑者(20)。地元の政治団体構成員を名乗っている。逮捕時、発煙筒の残った部品を持っており「自分が投げた」と認めた。その上で「反中国街宣の中で、こういうことになった」と話しているという。

 県警は沖縄県・尖閣諸島周辺での中国漁船と日本の巡視船の衝突事件後、領事館周辺を十数人態勢で警戒していた。【阿部義正】

(9月26日 毎日新聞)

「政府に抗議」 首相官邸近くで刃物所持男逮捕 警視庁 中国人船長釈放

 東京都千代田区永田町の首相官邸近くの路上で、手提げ袋の中に包丁を隠し持っていたとして、警視庁麹町署は25日、銃刀法違反の現行犯で、大阪市中央区法円坂、無職、渡辺正樹容疑者(32)を逮捕した。同署によると、渡辺容疑者は容疑を認め「尖閣諸島の問題で政府に文句があった。抗議するために上京した」などと供述している。

 逮捕容疑は午前10時ごろ、同町の歩道で、布製の手提げ袋の中に文化包丁(刃渡り約17・5センチ)を所持していたとしている。

 警備に当たっていた警視庁の機動隊員が挙動不審な渡辺容疑者を発見。所持品を調べたところ、文化包丁のほか「中国人船長釈放を撤回せよ」「海上保安庁が撮影したビデオを公開せよ」などとする声明文が入ったコンパクトディスクが見つかった。

 渡辺容疑者は文化包丁について「何かあった時のため護身用に持ってきた」と話しているという。

(9月25日 産経新聞)

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