【こぼれ話】買い物に出て「迷子」に=タイ女性が25年ぶりに帰郷

 ♪ 買い物しようとマレーまで出かけたが(以下サザエさん的に省略)

 世界は偶然と奇跡とドラマに満ちている。

【ドゥソンギョ(タイ)10日】タイで、買い物に出た際に行く先の違うバスに乗ったばかりに25年間、家に戻れなくなった76歳の女性が、このほど、やっと帰郷することができ、家族や孫たちと涙の再会を果たした。

 7人の子供を持つタイ南部、マレーシアとの国境地帯のナラシワト県に住むベウラヘンさんは25年前の1982年、いつものように国境を越えてマレーシアへ買い物に出掛けた。しかし、ベウラヘンさんは帰りに間違えてバンコク行きのバスに飛び乗ってしまった。

 ベウラヘンさんはマレー語の方言しか話せなかったために間違いを伝えることができず、そのままバンコクに行ってしまった。タイ語の読み書きができないべウランへさんは、バンコクでまた間違ったバスに乗り、今度はチェンマイに着いてしまった。チェンマイで5年間、物乞いをして暮らした後、87年に中部の県のホームレス・センターに送られた。警察は家族に、交通事故で死亡したのだろうと話していた。

 同センターで20年近くを過ごしていたが、先週、べウランへさんの故郷のナラシワト県から、ホームレス問題を研究している学生3人が同センターを訪れた。べウランへさんが学生の前で歌を披露したところ、学生たちにはマレー語の方言であることが分かった。

 べウランへさんは学生にこれまでの経緯を話し、故郷にはマレーシア人の夫と7人の子供がいることを伝えた。故郷に連絡が行き、6日に家族が迎えに来た。25年もかかった買い物の後にやっと家に帰り着いたべウランへさんは、子供や孫と抱き合って喜んだという。

(2月10日 時事通信)

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