結論から言うと、同国のドナルド・トゥスクが欧州理事会議長に就いているうちは離脱はない。ありうるケースとしては、「彼の辞任と同時の離脱」に1票。トゥスクの任期が残りざっと1年半として、その間に今の難民大移動が終わるかどうか、まずは我慢比べかねえ。もっとも、実質的に離脱と言うか、遠からず非協力体制にシフトするのは間違いないけどな。
ポーランドに続くのはどこだろう。9月のEU内相会議で難民分担案に反対したハンガリー、ルーマニア、スロバキア、チェコの4カ国に加えて、最近「もう難民は勘弁してくれ」という本音ダダ漏れのブルガリアやデンマーク、国境地域や地方自治体レベルで難民の押し付け合いの動きが強まっているオーストリアやイタリア、フランス、ギリシャといったところか。EU構成国のざっと1/3に「破局」が訪れるな。
難民救済推進の旗頭・ドイツやスウェーデンは、既に受け入れキャパが限界に達した。ことここに至って、欧州各国への難民割り振りが頓挫すれば、どうなることか。想像するだに恐ろしい。ポーランドの今回の選挙情勢は、その恐ろしい想像が悍ましい現実に変わる第一歩だ。
【ベルリン時事】ポーランドで25日、上下両院選挙の投票が行われた。
中東などからの難民受け入れに反対する右派の最大野党「法と正義」が第1党となる見通し。ただ、過半数を獲得できるかは微妙な情勢で、連立交渉が長引くとの見方も出ている。
最近行われた複数の世論調査によると、「法と正義」の支持率は32~40%。コパチ首相の中道右派与党「市民プラットフォーム」を10ポイント前後引き離している。政府は9月、欧州連合(EU)の難民分担受け入れ計画に賛成。国民の反発は強く、与党劣勢の一因となっている。
コパチ首相は、経済成長を続けるポーランドは「欧州で一定の責任を果たしていくべきだ」と訴えてきた。前首相のトゥスクEU大統領は「市民プラットフォーム」出身で、現政権はEUとの協調路線を鮮明にしてきた。政権交代となれば、対EU外交の基本方針が変化するとみられている。
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