EU、難民12万人受け入れ案を「多数決」で承認な件について

 全会一致が原則のEU理事会で最後まで賛成に回らなかったのは、ハンガリー、ルーマニア、スロバキア、チェコの4カ国。

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 棄権したフィンランドを除くと、「流入口」トルコ&ギリシャから「難民の黄金郷」ドイツに至るまでの「難民回廊」の主要国が、全てNo!と言っている。受け入れ負担の交渉の前に、リアルタイムで難民との軋轢が深刻化しているこれらの国が、ほぼ例外なく拒否反応を示しているのは、単なる経済的な事情だけではないだろう。

 今回、EU理事会は原則を捻じ曲げてまでして、難民の追加受け入れと域内の負担配分を決めた。それはEUの理念の発露としては正しく、美しい。

 しかし、賭けてもいい。来年の今頃は、難民受け入れ反対国の数が賛成国を逆転している。その先は、欧州全域を巻き込む逃げ場のない混乱の拡大だ。この期に及んで、ロシアに逃げ込むわけにはいかないもんな。欧州人が。

EU内相会議 難民12万人の分担受け入れ決定

 EU=ヨーロッパ連合の加盟国は、急増する難民の受け入れについて協議するため臨時の内相会議を開き、追加して受け入れることになった難民12万人について各国で分担して受け入れることを決めました。

 シリアやイラクなどからの難民が急増していることを受けてEUは、難民の受け入れ数を当初の4万人から16万人に引き上げ、各国に割りふる案を示しましたが、協議は難航し、ベルギーのブリュッセルで22日、先週に続いて2回目の内相会議を開きました。

 会議では難民の受け入れの分担に、チェコ、スロバキア、ハンガリー、それにルーマニアの4か国が反対する姿勢を崩さなかったため、全会一致を断念して多数決で提案を採択しました。これにより、ギリシャやイタリアに到着した難民を中心に新たに追加する12万人について、各国が人口や経済規模に応じて受け入れを分担することになり、提案に反対した国も対象になります。

 議長を務めたルクセンブルクのアッセルボルン外務・移民相は会議後の記者会見で、「ヨーロッパの分裂を指摘する声もあるが、今実行に移さなければヨーロッパの信用が失われることになる」と述べて成果を強調しました。

 一方、スロバキアのフィツォ首相が「EUの独裁的な決定には従えない」と反発するなど対立は解消していません。

 EUは23日に緊急の首脳会議を開き、改めて難民対策について協議することにしています。

(9月23日 NHK)

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