追加制裁の発動準備
政府は7日午前、北朝鮮がミサイル発射が日朝平壌宣言に違反しないなどと述べたことに、反発を強めている。また北朝鮮が再び「テポドン2号」の発射を行う可能性が高いことなどから、送金停止措置などの追加制裁をいつでも発動できるよう準備を進める。一方で、国連安全保障理事会で日本の決議案に中国、ロシアも賛成してもらうよう、引き続き外交努力も行っている。
安倍晋三官房長官は同日の会見で、北朝鮮の宋日昊日朝国交正常化交渉担当大使が日本の経済制裁を「言語道断」と述べたことに対し、「残念であり、憤りを覚える。誰がこのような関係になる原因をつくったかよく考えてもらいたい」と強く批判した。また宋大使がミサイル発射が日朝平壌宣言に違反しないとの見解を示したことには「違反は明白だ。北朝鮮も日朝平壌宣言の精神を重んじるなら、ミサイル発射モラトリアム(凍結)を再確認するよう求めたい」と述べた。
そのうえで「核、拉致、ミサイルの問題を解決しなければ、(北朝鮮の)経済、食糧、エネルギーの問題は解決できないと認識するよう国際的な連携を強め、圧力をかけなければならない」と強調した。
一方、麻生太郎外相は同日の会見で、「テポドン2号」が再発射される可能性について「前回の発射が失敗だという前提ならば、もう1回やる可能性が高いと考えた方がいい」と述べた。
その上で国連安保理の制裁決議について「決議は迅速かつ厳しい対応が大事であり、採決を急ぐあまりに内容が弱まるのは困る。兼ね合いが大事だ」と述べ、今後も日米で連携し、中露を説得していく考えを示した。外務省は佐々江賢一郎アジア大洋州局長が同日午後、北京入り。同じく訪中した米国のヒル国務次官補や中国の武大偉外務次官と今後の対応を協議する方針だ。
谷垣禎一財務相は同日の会見で、改正外為法による送金停止措置といった国内の追加制裁については「想定される事態には、きちんと対応できるよう整理をしておきたい」として、いつでも発動できるよう準備を進めていることを明らかにした。
(産経新聞) – 7月7日
で、北朝鮮の主張というのはこれ↓
≪ミサイルめぐる北朝鮮外務省報道官発言全文≫
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=142006070601700
なんかもう、あからさまな詭弁のパッチワークですが、外交ってぶっちゃけそういうもんだし、何と言っても北朝鮮の言うことだし、こんなもんかなあと。むしろ、「今回の飛翔体はミサイル」と明言してくれたのがありがたいくらいです。どうでもいいですが、今まで「人工衛星の可能性がある」と擁護し続けていた盧武鉉大統領がこれを読んでどう言い訳するかの方に、(ちょっと意地の悪い)興味があったりして(笑)。
当面の問題は安保理の「13対2」の綱引きですね。案の定、中露特に中国は制裁決議ではなく、拘束力の弱い議長声明で切り抜けさせようとしてますが(ぶっちゃけ拒否権発動されるよりは…とも考えちゃいますが、それは置いといて)、素直に妥協するわけにはいきませんね。下手に足並みを揃えないと動けないという脇の甘さを見せるより、「(制裁決議が否定されても、)有志国家で北朝鮮制裁網を作るがそれでもよろしいか?」という国際世論を醸成し、それを中露が無視できないという流れを持っていくことこそ、北朝鮮の強硬な姿勢を挫くためには肝要かと。
それにしても、今回のミサイル騒動で感じたのは韓露の防空警戒体制の異常なまでの脆弱さですね。特にロシア。自国近くに何発もミサイルを撃ち込まれていながら、そのほとんどを自軍で探知できていなかったというのは、かなりお粗末としか言い様がありません。ナイキが未だに対空ミサイルの主力張ってる韓国といい、他国ながら国防大丈夫?と心配しちゃいます。
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