株式会社ガンダム設立を妨害し、ミオリネに経営を実質譲渡させようというシャディクの手法は経営戦略的に間違っていない。普通ならば、この交渉も、続く決闘も、シャディクが勝っていた。その彼が敗れた理由は、彼が誰も信じていないのをミオリネに看破されていたこと、そして、自分が真に欲する物、それがミオリネ自身であれ、他の何かであれ、それらを手に入れるための勇気があと一歩足りなかった、それすら彼女に見透かされていたことの二点に尽きる。
「強くあるには賢すぎた」シャディクに対する自らの感情を表すように「もう熟すことのない」青いトマトを切り落とすミオリネ。これは若さか。それとも…。
ミオリネがシャディクの想いに薄々気がついていて、彼があと一歩踏み込んでくるのを待っていた気配、二人の想いが叶う機会が失われたことを自覚して、自ら青いトマトを切り落とす演出に唸らされた。
#水星の魔女— wer y sagt (@kaguramay) December 4, 2022
お約束と言ってしまえばそれまでだが、スレッタが最後の最後にエアリアルを舞台にして社歌を舞えたのは、彼女がミオリネを信じて、それを貫く勇気を持っていたから。力の優劣じゃないのよ、思いの強弱なのよ。恋も戦いも、最期に勝敗を分けるのは。第9話は、シャディクとスレッタ両者の対比が非常に上手く描かれていて、とてもお気に入りです。
激重感情オンパレードな第9話。だけど、登場人物たちの若さが丁度いい塩梅で混ぜ混ぜされてて、観ていて美味しかったです。ご馳走様でした。#水星の魔女
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」第9話「あと一歩、キミに踏み出せたなら」感想 ~ 「青過ぎた果実」 https://t.co/bqEWD3534U pic.twitter.com/S3DavJwXQS
— wer y sagt (@kaguramay) December 4, 2022
あと一歩「キミ」に踏み出せず、後悔に押しつぶされそうになっている若者はシャディク以外にもう一人。スレッタの助太刀依頼に応えてあげられず、その忸怩たる念を抱えたまま退学させられそうになっているグエル。グエルが助太刀パイロットに入らなかったことで、チュチュを始めとする地球寮チームの逆転ラストシュートは一層輝いたが、同時に、彼が地球寮に入る切っ掛けは今回をもって失われた。えー、それって酷くなーい?誰かグエル先輩に復活の機会を!!
ニカ姉はやっぱりシャディクのスパイだったか。でも「それ以上」な関係ではないようで、おいちゃんちょっと安心したぞ。むしろ、お兄さんラブを拗らせすぎて、セセリアもドンびくほど私怨丸出しになっちゃったラウダ君の方が心配DEATH。あと、やっぱりリリッケちゃんってモテるのな。レネたんは戦闘中に痴話喧嘩吹っ掛けるのはやめとこう。ちな、今回のチーム戦のMVPはティル君な。異論は認めません。
エアリアルがシャディク&シャディク隊のアンチドート包囲網を破った力は何処からきたのか。その瞬間を目にしたプロスペラママンの涙は何を意味するのか。未だ不明なスレッタの「正体」と併せて考察する余地が広がって今後の展開がいよいよ楽しみです。
にしても、戦闘シーン凄かったなあ。
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