<高速船事故>クジラと衝突? 93人重軽傷 鹿児島県沖

 9日午後6時ごろ、鹿児島県・佐多岬沖約3キロの海上で、同県・種子島から指宿(いぶすき)港(同県指宿市)に向かっていた鹿児島商船(鹿児島市)の高速船「トッピー4」(赤瀬強一船長、乗員乗客114人、280トン)が何らかの物体に衝突した。同社によると、激しい衝撃で93人がけがをし、うち12人が重傷を負った。クジラと衝突した可能性もあるとみて、第10管区海上保安本部は10日朝から、現場海域の漂流物の捜索や船体の損傷などの調査を始めた。

10管によると、高速船は衝突後、自力航行できなくなり、巡視船艇6隻とヘリコプター2機が現場へ向かい乗客を救助した。重傷の12人は9日午後9時すぎに巡視艇で指宿港に搬送され、指宿市内などの病院に運ばれた。頭や腰などにけがを負っているという。その他の乗客は高速船に乗ったまま巡視船にえい航され、同11時半に山川港(指宿市)に到着した。

鹿児島商船によると、高速船は事故当時、時速約80キロで航行中だった。赤瀬船長は「船の後部が浮遊物とぶつかって船体が前のめりに突っ込んだ」と話しているという。後部左側の水中翼が破損した可能性がある。同船は航行中、クジラが嫌がる音を発する装置を作動させ、乗客にはシートベルト着用を呼びかけていた。

九州周辺海域では、対馬海峡で高速船とクジラの衝突とみられる事故が多発。今年2~3月には4件連続して起きたが、鹿児島県沖では最近、事故は報告されていなかった。

(毎日新聞) – 4月10日

商業捕鯨が中止されて鯨が増えているのかどうかはわかりませんが、昨今の同種の事故が鯨の生活圏・回遊ルートと高速船の航路がバッティングしているが故に多発しているというのは、間違いないでしょうね。今はちょうど親子鯨が沖縄近海から北上するシーズンだそうですから、動きが遅くかつ息継ぎのために水面に出がちな子鯨がぶつかりやすいという季節的要因もあるのかもしれません。

とりあえず、海の真ん中に横断歩道や信号機をおったてて、鯨に交通安全教える訳にはいかないので、事故の再発防止のためには高速船サイドが譲歩しなくてはならないでしょうね。アンダーウオータースピーカーってあんまり効かないようですし、減速&安全運転しかないのかなあ。でもそれじゃ普通の貨客船と変わらないし、難しいところです。

と、ここまで「衝突物=鯨」前提で述べてきましたけど、実は「衝突物=UMAや潜水艦」だったりして。それだとアンダーウオータースピーカーが効かない理由も納得いくけど…コワッ。

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