民主党の小沢一郎代表は8日、菅直人元代表、鳩山由紀夫幹事長と党本部で会談、代表選を戦った菅氏を代表代行に起用し、鳩山氏を続投させる方針を伝え、両氏はこれを受諾した。小沢氏は渡部恒三国対委員長、松本剛明政調会長ら前執行部メンバーを再任させることも決めた。党の2枚看板だった菅、鳩山両氏を重要ポストで処遇した今回の人事には、挙党態勢と党内融和を打ち出す狙いがある。
小沢執行部は11日の両院議員総会での承認を経て正式に発足する。小沢氏は3者会談の後、菅、鳩山両氏とともに記者会見し、「どんな執行部でも挙党一致、党内融和を心がけてやることは間違いない」と強調した。
菅氏については一部で幹事長就任が取りざたされた。小沢氏は会見で「重要な役割を担ってもらう」と述べ、国会論戦での活躍などを期待する考えを表明、菅氏も「代表が直接やること以外で重要な課題にしっかり取り組んでいく」と協力を確約した。鳩山氏の続投には、小沢氏に近い鳩山氏に党運営の要を任せることにより、選挙対策などで、党内の主導権を確保する狙いもあるとみられる。
渡部、松本両氏らの再任については、小沢氏は「再任すれば、いろいろな立場の人が入っている(ことになる)」と説明。「前原誠司前代表が責任を取って辞めた。他の役員の再任の妨げにはならない」と述べた。3月に渡部氏と同時に就任した仙谷由人幹事長代理、川端達夫、平野博文両国対委員長代理は再任しなかった。
一方、3氏は毎週1回、連携を確認する3者協議を開くことで合意。鳩山氏は会見で「ここは3人(小沢、菅、鳩山の3氏)でさまざまな課題について心合わせることが大事だ」と述べ、「トロイカ体制」を強調した。
新執行部にとっては11日告示、23日投開票の衆院千葉7区補選が最初の試金石となる。【衛藤達生】
◆民主党代表代行
【略歴】菅 直人氏(かん・なおと)厚相、民主党代表。東工大理卒。衆院東京18区。当選9回。59歳。
(毎日新聞) – 4月8日
やはり、菅氏を冷遇する訳にはいかず、さりとて実権を渡す訳にもいかずというわけで、菅氏「案の定の」名誉職就任ですね。もっとも、論争ベタの小沢氏ですんで、この手の案件対応用に「形式上No2&論客」菅氏を身近に置いておきたいというのも本音の一端かもしれませんが。それとも自分が代表代行だった時を引き合いに出して、「名誉職は党運営に首を突っ込んでくるもんじゃありませんよ(はぁと)」との無言の圧力のつもりなのかも(笑)。
執行部人事は納得半分疑問半分ですね。といっても、「永田問題を長引かせた張本人の一人・鳩山が何故再任?」とかいう外向けの理屈でのそれではなく、今回の代表選での論功行賞について。今回小沢氏を押したのは、主に鳩山グループ、旧民社党(川端)グループ、旧社会党(横路)グループな訳ですが、鳩山氏幹事長就任はともかく、残り2グループにあまりご褒美がないのがちょっと不思議。とりあえず9月までは現体制で引っ張って、事実上の信任投票になるであろう次期代表選で再任したら、改めてポストを分けるってことですかね。まずは、身内びいきより党内の分裂や衝突を回避することが先決と。となると、小沢氏ってば結構本気で党運営やる気なのかも…信じられないけど(ヒデー)。
え?前原・野田グループの松本政調会長や玄葉幹事長代理も留任?…ああ、千葉補選で負けた時のスケープゴートが必要だし、前原・野田グループへの人質というか見せしめ要員も必要だし。いずれにしても次は無いっしょ。とにかく、今回の騒動と人事で一番の成果と言えば、松下政経塾出身者はじめ党内の頭でっかち若手の妄動に首輪をつけることができた点ですね。連中の存在が、ここ2年の野党・民主党の弱体化と与党・自民党の暴走を促がした一因と神楽は考えてますから、これは素直に評価したいです。
しかし、これで民主党執行部主要メンバーはほとんどが自民党の旧・竹下派かあ。9月の結果次第では、これに国民新党や新党日本が合流するだろうし、その時に党内左派が抜けたら、もうそのまんま第2自民党ですねえ。
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