「イランの恋人」カタールが中東で村八分にされた件について(2017/6/5)
地元社交界一の令嬢・サウジが、密かにライバル視している主人公少女・カタールに「イランや反サウジなテロリストの如き下層の者共に媚びを売るなんて、この淫売!スンニ派の面汚し!」と平手打ち。サウジの取り巻き連中がサウジに追随してカタールを足蹴にするという、大映ドラマ的な上流階級イジメ劇。
早いもので、この「昼ドラ劇場風味中東紛争」が始まって、もうすぐ1年。すぐに音を上げるかと思われていたカタールだが、健気にサウジ御嬢様一派の苛めを耐え抜き、先月にはサウジをはじめとする意地悪四人組からの輸入品パージを宣言。
流石はカタール。サウジを袖にした1971年の単独独立宣言といい、いざという時に見せるその根性、嫌いじゃないぜ。
問題は、その逆境主人公・カタールたんに、イランだけでなく中国やロシアが急接近している点だよなあ。特に、この記事にあるロシア製地対空ミサイルシステム「S-400」をカタールが購入する可能性は、相当剣吞やで。
「S-400」こと「トリウームフ」は航空機から弾道ミサイルまでなんでも来いの優秀な地対空迎撃システム。これを配備されると、サウジ陣営の空からの攻撃はかなり制限される。
カタールに「S-400」をお奨めしてきているロシアのずっこいところは、このシステムをカタールより先にサウジにも売ってる点。ヒロインとライバル同士に同じ高価なアクセサリーを贈って、乙女心を操らんとする悪のイケメンキャラの如し。えぐいわあ。
カタールたんには、ロシアの「色香」の誘惑に負けすぎることなく、貞操を護った外交戦略を貫いてほしいところだ。
間違っても、カタール「ロシアのぶっといミサイルになんて負けない!」→「ぶっといのはミサイルだけじゃなかったよ…(アヘ顔Wピース)」的な展開だけはカンベンな。
サウジ、カタールがロ製ミサイル入手なら軍事行動も辞さず 仏紙
【AFP=時事】サウジアラビアは、カタールがロシアから最新鋭の高性能地対空ミサイルシステム「S-400」を入手した場合、カタールに対する軍事行動も辞さないと警告した。仏紙ルモンド(Le Monde)が1日、報じた。
ルモンドによると、サウジアラビア政府はフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に書簡を送り、カタール・ロシア間のS-400をめぐる交渉を阻止するために介入し、中東の安定を維持する手助けをして欲しいと訴えた。
この報道について、仏大統領府または外務省からの反応は今のところない。
サウジアラビアおよび、バーレーンやアラブ首長国連邦(UAE)を含む中東の近隣諸国は昨年6月、イスラム過激派を支援するとともに、中東におけるライバル国のイランに近づきすぎているとカタールを非難し、断交。その後、サウジ主動でカタールに経済制裁が課された。カタールはサウジ側の主張を一貫して否定している。
こうした孤立状態を打開するため、カタールはロシアなどの国々と新たな関係を築こうとしてきた。
カタールは1月、「S-400」の導入についてのロシアとの協議は「かなり進んだ段階」にあると発表していた。【翻訳編集】 AFPBB News
カタール封鎖解除 国交回復へ加速―サウジ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021010500150
カタールお嬢様粘り勝ち!…なのはいいけど、これでいよいよイランは追い詰められたなあ。