事故状況から考えると、昨日の段階で十分想定内だが、この記事で確信した。今回の事故は、陸上自衛隊西部方面航空隊の整備不良による人災だ。
- 「駐屯地の管制空域を出る」という交信をした際は異常はなかったが、その5分後の同43分ごろ、管制官が南西に約6キロ離れた神埼市千代田町嘉納の住宅上空で機首から落下していくヘリを目視で確認。
- 現場付近にいた佐賀城北自動車学校(佐賀市新中町)の生徒送迎用ワゴン車のドライブレコーダー車載カメラには、空中でローターとみられる部品が機体から分離した後、きりもみ状態で降下していくヘリが映っていた。
具体的にはこれ。
陸上自衛隊西部方面航空隊所属の攻撃ヘリAH-64D「アパッチ・ロングボウ」が住宅地に墜落、炎上 ~ 佐賀県神埼市(2018/2/5)
- 事故発生当時、現場の天候に問題なし。整備直後の点検飛行に出て、程無くパイロットから「予防着陸の要あり」と連絡があった直後に機首から墜落。十中八九、メインローターに何らかの不具合が生じてロックされた状態になったんだな。それも、おそらく整備不良系の。
メインローターヘッドは定期的に交換される、仕様が固定されている消耗部品だ。その部品の交換直後の墜落事故となれば、メインローターヘッドそのものの不具合が事故原因とは考えにくい。政府はAH-64Dの飛行を全面停止としたが、その指示は、今回の事故原因の究明や類似事故の発生の予防に、ほとんど資することのない措置として終わるだろう。
<陸自ヘリ墜落>メインローターが空中で分離か 離陸7分後に落下
佐賀県神埼市の住宅に陸上自衛隊目達原駐屯地所属のAH64D攻撃ヘリコプターが墜落、炎上した事故で、飛行中にメインローター(主回転翼)が機体から分離して落下したとみられることが、複数の目撃証言などから分かった。整備を受けた後の点検飛行で同県吉野ケ里町の目達原駐屯地を離陸して7分後にトラブルが発生しており、陸自の航空事故調査委員会がフライトレコーダー(飛行記録装置)を回収して事故原因を究明する。
陸自によると、ヘリは5日午後4時36分に目達原駐屯地の管制官から許可を得て離陸。2分後の同38分に「駐屯地の管制空域を出る」という交信をした際は異常はなかったが、その5分後の同43分ごろ、管制官が南西に約6キロ離れた神埼市千代田町嘉納の住宅上空で機首から落下していくヘリを目視で確認。無線で呼び掛けたが応答はなかったという。
現場付近にいた佐賀城北自動車学校(佐賀市新中町)の生徒送迎用ワゴン車のドライブレコーダー車載カメラには、空中でローターとみられる部品が機体から分離した後、きりもみ状態で降下していくヘリが映っていた。近くのガソリンスタンド従業員、宮地渉さん(21)も「上空でボーンと大きな音がして、ヘリの本体と一部が分解して落ちてきた」と証言する。
防衛省によると、墜落した機体はテールローター(後部回転翼)以外損失しているという。また、ヘリの機体にはエンジンの点火装置や機首部の暗視装置など計3カ所に放射性物質が使われているが、陸自は「人が直接触れ続けても害のないレベル」としている。
(2月6日 西日本新聞)
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