「小池百合子の衆院選出馬」を巡る化かし合い、継続中な件について

　「総理大臣になりたい緑のたぬき」小池百合子からすれば、本来衆院選に出馬したくて×２、たまらないはず。しかし、「希望の党」の現状では、民進党からくすねたカネと組織力を以っても、総選挙で過半数を獲るのは不可能。頼みの連合からも見切られたし。そんな状況で衆院議員に復帰しても、野党第一党というより、自民党の補完勢力の頭の座しか彼女は望めない。それでは、東京都知事を辞めるメリットが無い。故に、小池百合子は、都知事という既得権益を無駄に失わないために、衆院選出馬を固辞せざるを得ない。

　一方、「有権者の大半から裏切者扱いされている狡いきつね」前原誠司からすれば、政権交代はおろか3桁議席GETすら覚束ない「希望の党」の看板を、後生大事に守る義理は無い。小池百合子を衆院選に引きずり出し、選挙戦敗北の詰め腹を斬らせて代表から追い落とし、おそらくは当選者の大半を占める民進党出身者をもう一度騙し、然る後に「新生・希望の党」の実権を握りたくてたまらないだろう。もちろん、前原自身は信用ゼロだから、適当な傀儡を立てることが前提だが。

　自民党からすれば、小池百合子が衆院選に出馬しようがしまいが、どちらのケースでも構わない。彼女が出馬せず、細野豪志なり若狭勝なりを希望の党の首相指名候補として挙げれば、「この程度の小物or裏切り者orかつての僚友を簡単に仕分けするような冷酷漢を首相として信用できますか」とネガティブキャンペーンしやすいこと、極まりない。今のタイミングで、小池百合子が石破茂の名前を出せないことは、もちろん承知の上だ。

　彼女が出馬したらしたで尚良し。合法的に東京都知事の座を空けさせることができる。それも、都民のヘイトは彼女一人に集めさせて。今度は公明党も裏切らぬ、いや、裏切れぬ。少なくとも昨年よりも有利な都知事選を、自民党は戦うことができる。

　仮に都知事選となれば、枝野幸男以下左派の意見を気にする必要のなくなった前原が、自公と組んで同一候補を推すよう「希望の党」の民進党出身者を説得するかもしれない。そうなれば、小池百合子と「希望の党」のチャーターメンバーは用無しだ。

　そこまで非情になってもいいのよ？前原は。なんせ、事ここに至ってなお、小池百合子はこう口走っているのだから。

希望の党の首相指名候補については「どういう旗頭で戦うか、希望の党のチャーターメンバーで改めて考えていきたい」と述べた。

　つまり、党のチャーターメンバー＝創立者ではない前原や民進党の大物たちは、自分たちの旗頭を決める場から締め出されると、党の代表殿から公言されているわけだ。これは十分、造反の口実になる。

　やっちゃいなよ。前原誠司。「民進党崩壊のA級戦犯」という汚名返上の機会は、この先、そうそうないぞ。

　いずれにしても、緑のたぬきと狡いきつねと自民党の化かし合いはまだ続く。もっとも、10/10という期限は切られているから、化かし合い合戦の観客たる有権者がそれ以上待たされることはない。楽しいね。

「大変なラブコールいただいたが…」小池百合子氏、衆院選出馬せず

　新党「希望の党」を率いる小池百合子東京都知事は５日昼、民進党の前原誠司代表と都内で会談し、１０日公示の衆院選に出馬しない方針を改めて表明した。前原氏は小池氏に出馬を強く求めたが、小池氏は「最初から衆院選の出馬はない」と強調したうえで、希望の党の首相指名候補について、党の結党メンバーを中心に早期に決める方針を伝えた。両氏は安倍晋三政権の打倒を旗印に連携することも確認した。

　小池、前原両氏は会談後、記者団の取材にそろって答えた。

　小池氏は「前原氏から大変なラブコールをいただいたが、私は（希望の党を設立する）冒頭から衆院選への出馬は考えていない」と改めて語った。希望の党の首相指名候補については「どういう旗頭で戦うか、希望の党のチャーターメンバーで改めて考えていきたい」と述べた。

　小池氏は衆院選ついて「『安倍１強』をどうやって倒し、国民に実感のある生活を確保するのか。安倍政権としっかり対峙（たいじ）していく方向性で一致した」とも述べ、安倍首相への対決姿勢を強める姿勢を明確に示した。

　前原氏は「代表である小池氏が衆院選に出ていただきたいと求めた」と説明した。その上で「出馬は固辞されたが、衆院選は政権選択選挙で誰を首相に選ぶかという選挙だ。出ないのなら早急に話し合いをして（首相指名候補を）決めなければならない」と語った。

(10月5日産経新聞)

　ここで「アホ」を紹介。