今日が季節外れの荒天・大雪でなければ。訓練を開始するタイミングが少しでもずれていれば。事故現場のスキー場が営業を終了しておらず、いつもの圧雪作業を続けていれば。
これらの「if」の1つだけでも人間にとって優しい結果になっていれば、おそらく今日の悲劇は起こらなかった。講習の責任者が誰であれ。
27日午前、栃木県那須町にあるスキー場付近で雪崩が起きて登山の講習中の高校生と教員合わせて48人が巻き込まれ、このうち心肺停止の状態になっていた男子生徒ら8人の死亡が確認されました。このほか、生徒ら40人がけがをしていて、警察と消防は、雪崩が起きた当時の状況を調べています。
27日午前8時半ごろ、栃木県那須町にある「那須温泉ファミリースキー場」の付近で雪崩が起き、登山の講習を受けていた県内の高校の山岳部の生徒や教員、合わせて48人が巻き込まれました。
栃木県警によりますと、このうち、県立大田原高校の男子生徒と男性教員の合わせて8人が心肺停止の状態になっていましたが、生徒ら8人の死亡が確認されました。
このほか、生徒と教員合わせて40人がけがをしていて、このうち生徒2人はけがの程度が重いということです。
警察や消防は、雪崩が起きた当時の状況を調べています。
県の教育委員会によりますと、今回の登山の講習は、おとといから27日までの3日間、県内の7つの高校の山岳部の生徒と教員合わせて62人が参加して行われていました。
しかし、27日の講習は、悪天候のため登山を中止し、スキー場の付近で48人が参加して、深い雪をかきわけて進む「ラッセル」の訓練を行っていたということです。
那須高原に設置している観測点では、27日未明から雪が積もり始め、午前9時の積雪は33センチとなっていて、気象庁は、那須町などに大雪やなだれの注意報を発表して注意を呼びかけていました。
高体連「痛恨の極み」
今回の講習会を主催した、栃木県高等学校体育連盟が27日午後8時半から記者会見を開きました。
冒頭、橋本健一会長が「先ほど、春山安全登山講習会において残念ながら亡くなられた方が出たと聞きました。痛恨の極みです。亡くなられた方、被害に遭われた方、そして、そのご家族に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます」と述べました。
また、橋本会長は「ベテランの先生方の現場の状況判断を尊重していた。原因究明を待ってからだと思いますが、もう少ししっかりした危機管理体制が必要だったと個人的には考えています」と述べました。
(3月27日 NHK)
一押しして頂けると励みになります<(_ _)>
コメントを残す