【産業革新機構は】日産自動車、車載用の電池事業からの撤退を検討【3年半前の愚策の味を思い出せ】

「産革がJDIへの金融支援を検討」という報道を耳にした後、日産が電池子会社・オートモーティブエナジーサプライの株式を売却し、車載用Li-ion二次電池事業から撤退するというこのニュースを目にして、3年半前のこのエントリーを思い出した。

ソニー・日産自動車・NECがLi-ion二次電池事業を統合へ ~ 「第二のエルピーダメモリ」を産むだけの超愚策。3年ばかし打つ手が遅すぎだ。(2013/1/25)

車載用も含めて、Li-ion二次電池は既にコモディティ製品なんだよ。価格勝負(≒体力勝負、薄利多売勝負)しかできない商品なんだよ。3年前ならともかく、既に韓国に供給能力で逆転を許した現状で、今更体力勝負を仕掛ける企業を設立するとか、産業革新機構も、何トチ狂ったプラン提示してるんだ。

技術流出を危惧?。だったら、B787の搭載電池で問題起こしたBMS(バッテリー・マネジメント・システム)のようなLi-ion二次電池周辺のコア部品の開発・製造機能、正負極材や電解質用の新素材やナノ加工技術を持っている企業の統合や支援に力を割け。Li-ion二次電池のアセンブリや全体設計を担っているソニー以下の大手電池メーカーの技術は、既に海外メーカーに追い抜かれとる。もう遅いんだよ。今から彼らを助けても無駄。エルピーダメモリのように。

3年半前、産革のこの愚策に易々と乗らなかったゴーンは賢明だった。

カルロス・ゴーン社長はこれまでも、自社生産にこだわらず競争力がある電池を採用する姿勢を示していた。

今日まで3年半我慢したゴーンは、産業界や産革をはじめとする官連中への義理を十分果たした。これからは、もっと自由にEVビジネスをやればよい。そして、

「産革の石頭共は、もう一度JDIへの金融支援を考え直せ」

3年半前、世間に晒した無様の味を思い出せ。今ならまだ間に合う。

日産、車載用の電池事業から撤退検討 コスト低減狙いか

日産自動車が、NECと共同出資する車載用リチウムイオン電池の子会社株を売却し、電池事業から撤退する検討をしていることがわかった。外部調達に切り替え、コスト低減を図る狙いがあるとみられる。売却先としてパナソニックなど複数の候補から絞り込んでいる模様だ。

対象は、2007年設立の「オートモーティブエナジーサプライ」(神奈川県座間市)。日産が51%、NECグループが49%を出資し、日産の電気自動車(EV)「リーフ」やハイブリッド車(HV)向け電池を生産している。16年3月期の売上高は366億円。車載用リチウムイオン電池のシェアは世界2位で、パナソニックに次ぐ。

日産がEV量産を検討し始めた00年代は、車載用大型電池を供給するメーカーが少なく、自前で生産体制を整える必要があった。だが、HVやEVの普及が進んで調達ルートが多様化し、外部から安定して安く買える見通しが立ったと判断したようだ。カルロス・ゴーン社長はこれまでも、自社生産にこだわらず競争力がある電池を採用する姿勢を示していた。

(8月6日 朝日新聞)

 

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