1審と2審の間で変化した証拠や証言の信頼性とは何なのか、正直おいらには分からない。肝となる「菊地は有罪」証言をした井上嘉浩死刑囚の頭の中を覗いて証言時の彼の本心を把握できない以上、たぶん十人に聞けば十人が各々の主観に基づき異なる見解を出す。そんなブラックボックス感が半端無い、今回の無罪判決。
万人を納得させられない玉虫色な判断しか出来ないなら敢えて無罪判決を下し、その上で「左手の指を吹き飛ばされた人がいるのは事実=あんたが酷いことに関与したのは事実」と明言することで、「菊地直子に刑事上の罰は背負わせなかったが、彼女に社会的な罰を背負う資格があると社会に発表した」と推測すべきなんだろうか。
「法律的には無罪です。ただ、あなたが運んだ薬品で重大な犯罪が行われた。心の中で整理してほしい」
判決の言い渡し後、大島隆明裁判長はこうコメントした。このコメントの本音が、もし、上記のようなものだったとしたら、
社会的なリンチを裁判所が推奨する、あるいはその余地を開陳するくらいなら、あくまでも法と証拠に則って淡々と判決だけ下せばいいんだよ。こんな余計なことを言わずに。きっとモヤモヤと不安と不満が渦巻いてるぜ。一般社会にも、メディアにも、検察にも、高橋俊彦弁護士にも、そして多分、菊地サン本人にも。
20年前に起きたオウム真理教による東京都庁の郵便物爆破事件で、殺人未遂のほう助の罪に問われた菊地直子元信者(43)に、2審の東京高等裁判所は「テロ行為を認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残る」として、1審の懲役5年の判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
オウム真理教の菊地直子元信者は、平成7年に東京都庁で郵便物が爆発し、職員が大けがをした事件で、爆薬の原料の薬品を教団の元幹部らのもとに運んだとして、殺人未遂のほう助の罪に問われました。
事件後に特別手配され、3年前に逮捕されるまで逃亡を続けていて、裁判では無罪を主張しましたが、1審の裁判員裁判で懲役5年の判決を言い渡され、控訴していました。
27日の2審の判決で東京高等裁判所の大島隆明裁判長は、1審で有罪の根拠となった教団の元幹部の井上嘉浩死刑囚の証言について、「不自然に詳細かつ具体的で、信用できない」と指摘しました。そのうえで、「教団の実行犯が人を殺傷するテロ行為を行うことを菊地元信者が認識して手助けしたと認めるには、合理的な疑いが残ると言わざるをえない」として、1審の判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
菊地元信者のほかに特別手配されていたオウム真理教の元信者のうち、高橋克也被告は、1審で無期懲役の判決を言い渡され、控訴しているほか、平田信被告は、1審と2審で懲役9年の判決を言い渡され、上告しています。
(以下略)
(11月27日 NHK)
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